西村優菜 大会コース記録更新の通算18アンダーで6勝目…「100点」バンカーショット


通算18アンダーで優勝し万歳する西村優菜(カメラ・今西  淳)

通算18アンダーで優勝し万歳する西村優菜(カメラ・今西 淳)

◆女子プロゴルフツアー ニッポンハムレディス 最終日(10日、北海道・桂GC=6763ヤード、パー72)

 3打差の首位で出た西村優菜(21)=スターツ=が4バーディー、2ボギーの70で、大会コース記録を更新する通算18アンダーとし、1打差で逃げ切った。6月のニチレイレディスに続く今季2勝目&通算6勝目。13番で一時は後続に並ばれたが、突き放す勝負強さで、21日開幕のエビアン選手権(フランス)からの海外メジャー2連戦に勢いをつけた。68の野沢真央(25)=愛知製鋼=が2位となった。

 1打リードの最終18番、西村は第2打をグリーン右手前のバンカーに入れるピンチを迎えた。「ここでのミスはショック」。第3打地点まで歩きながら必死に気持ちを切り替えた。「2メートル以内に止めたい。フェースを開いて打った」という一打は、60センチにピタリ。「バンカーは得意か分からないけど、好き。100点だと思う」と自画自賛した小技でパーセーブし、逃げ切った。

 第2日にホールインワン、第3日の前半にハーフ自己最少の30。この日も前半を3打差で折り返し、盤石かと思われた。だが、12、13番の連続ボギーで同じ最終組の野沢に並ばれた。「苦しい時間が長くて、もうダメかな」。気持ちが落ちかけたが、「今季何度も緊張感の中、優勝争いしたことが今日につながった」と前を向き続けた。15番で8メートルのスライスラインを決め、勝負を決めた。

 昨年のリベンジを果たした。今回と同じく2日目を単独首位で折り返したが、73、72と伸ばせず5位。大会後に母・枝里子さんの前で涙を流した。同行する母とはあまりゴルフの話はしないというが、今大会中は「一つ一つだね」(母)と互いに話すほど、優勝への思いを強くしていた。また、キッチン付きの宿泊施設に滞在したのも初めて。好物のマーボーなす、前夜はチキンピカタと母の手料理を食べ、くつろいで過ごし力を発揮した。

 次戦はエビアン選手権、1週空いてAIG全英女子オープンとメジャー連戦へ最高の形で乗り込む。「海外から良いニュースを届けたい」と、観客に笑顔で宣言した。将来的な目標は海外メジャー制覇。自身3度目のメジャーへ、「予選を通過して4日間戦いたい。いい経験をした、だけでは帰ってきたくない」と初の予選通過を見据え、結果を求めに行く。(岩原 正幸)

 西村に聞く

―後半のプレー。

「同組の選手に素晴らしいゴルフで圧倒されたが、14、15番でいいバーディーが取れて良かった」

―エビアン選手権の印象について。

「(16年に)田仁智さん(韓国)が勝ったのをすごいなあ、と思って見ていた」

―3日間のフェアウェーキープ率約91%は首位。

「ドライバーの感触は今週の練習から良かった。左に引っかけるミスをしないように、どう体を動かすかを考えていた」

―ポイントランクでは1267・12ポイントとし、3位に浮上した。年間女王に向けて。

「今はあまり考えていないけど、取りたいタイトルだと思う」

◆西村が達成した記録

▽通算6勝目 21歳340日の達成は年少6位。最年少は04年宮里藍の19歳155日(88年のツアー制施行後)

▽ホールインワンを決めた大会で優勝した選手 西村は第2日(8日)の8番パー3で、ツアー2度目のホールインワン。20年富士通レディースの申ジエ以来、21人目(ツアー制施行前含む)

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