「ゴルフ天才少女」須藤弥勒は世界ジュニア17位「負けました! 一から出直しです」


ゴルフ世界ジュニア選手権で17位に終わった須藤弥勒(提供写真)

ゴルフ世界ジュニア選手権で17位に終わった須藤弥勒(提供写真)

◆ジュニアゴルフ世界メジャー ▽世界ジュニア選手権女子9・10歳の部最終日(14日、米カリフォルニア州サンディエゴ・シンギングヒルズゴルフリゾート=4201ヤード、パー74)

 6月にジュニア欧州選手権(英国スコットランド)を制して史上初のジュニア4大メジャーのグランドスラムを達成し「天才少女」と呼ばれる須藤弥勒(ゴルフ5)は6バーディー、3ボギーの71で回り、通算5アンダーで22位から17位に浮上して大会を終えた。4年ぶり3度目の優勝を目指したが、17打差もつけられた弥勒は「負けました! また、一から出直しです」と潔く話した。

 弥勒が完敗した。今年6月にジュニア欧州選手権(英国スコットランド)で2位に12打の大差をつけて圧勝し、史上初のジュニア4大メジャーのグランドスラムを達成。欧米にまたいでメジャー連勝を狙ったが、スコアの伸ばし合いとなる戦いで第1日は70で9位発進。第2日は76をたたき、22位に後退。最終日は71で17位に浮上して意地を見せることが精いっぱいだった。

 「最後まで調子が上がらず、競技人生の中で一番つらい試合でした。30センチのパットが3メートルぐらいに長く感じました。3日間の試合も長く感じました」と弥勒は敗戦を振り返った。

 この1年、コースの内外で、快進撃を続けてきた。世界のジュニア大会の予選、本戦で負け知らず。ゴルフ以外でも大きな変化があった。今年1月にアマ資格の規定が大幅に改定され、アマチュアゴルファーも無制限でスポンサー収入を得ることが可能になり、圧倒的な実力と存在感を持つ弥勒のもとにはオファーが殺到した。その中で、ゴルフ専門店の「ゴルフ5」と所属契約、並びにマネジメント契約を結ぶなど、10歳ながら弥勒のスポンサーは計11社・団体に及ぶ。これまで以上に注目される存在になった。

 キャディーを務めた母・みゆきさんは「精神的にこれだけ疲れている弥勒を見るのは初めてです。『優勝以外は負け』という思いが重くのしかかっていたのだと思います」と娘を思いやりながら話した。

 日本で待つ父・憲一さんは「弥勒はこの大会の最年少優勝記録を持ち、過去2回制しており、タイガー・ウッズ(米国)が持つ優勝回数記録にすぐに迫れると思っていましたが、世界ジュニアはそんなに甘くないですね。私は、今回も優勝すると確信していたので、これだけ悪い結果にびっくりしています。ファンの方も驚いているでしょうが、誰よりも弥勒と妻がショックでいっぱいだと思いますので、日本に帰ってきたら、ゆっくりと休んでほしい。おいしいものを食べて、海に行って、ゴルフとは全く関係ない夏休みを満喫させてあげたいと思います」と静かに話した。その上で父は敗因と今後の方針を冷静に語った。「敗戦は昨年の世界ジュニア以来、1年ぶり。先月まで結果は出ているので、練習方法や方針が間違っているとは考えていません。ただ、私が想像している以上に、弥勒は世間の期待や批評を過度に感じすぎているのかもしれません。注目されている以上、この壁にいずれぶつかるので、家族で出来る限りサポートをして、弥勒が究極の目標に掲げる『伝説のプロゴルファー』になれるように見守っていきたい思います」

 弥勒は76と崩れた第2日終了後「言い訳は何もありません。これが現在の状態です。批判は甘んじて受けます」と悲壮感を漂わせながら話したが、戦いを終えた、この日は本来の明るさを少し取り戻した。「早く日本に帰って、お父さん、お兄ちゃん、弟に会いたいです」とはにかみながら話した。敗戦を糧に破天荒ゴルファー須藤弥勒の挑戦は続く。

 米国のハイリー・キムが通算23アンダーで優勝。日本勢は本村彩歌が3打差の通算20アンダーで2位、寺町美友海とが通算15アンダーで5位、道上稀唯が通算12アンダーで9位と健闘した。

 ◆須藤 弥勒(すとう・みろく)2011年8月6日、群馬・太田市生まれ。10歳。1歳からゴルフを始め、東大出身の父・憲一さんの緻密な指導で成長を続けている。17、18年に世界ジュニアゴルフで連覇し、頭角を現す。現在、ドライバーの飛距離は220ヤード。家族は父、元フィギュアスケート選手の母みゆきさん、兄・桃太郎君、弟・文殊君。145センチ、52キロ。

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