岩井千怜がルーキー一番乗りV 本紙インタビューで語った「大谷翔平さんのように勇気を与えられるプロになりたい」


岩井千怜

岩井千怜

◆女子プロゴルフツアー NEC軽井沢72 最終日(14日、長野・軽井沢72G北C=6679ヤード、パー72)

 首位タイで出た20歳の岩井千怜(ちさと、ホンダ)が5バーディー、2ボギーの69で回り、通算13アンダーでツアー初優勝を飾った。ルーキーで一番乗りの優勝となった。

 3、4番で連続バーディーも7番でボギー。前半を1打差2位で折り返した。後半に入ると、10、11番で連続バーディーを奪い、単独首位に立つと13番もバーディーを重ねた。

 姉の明愛(あきえ)とともに双子姉妹として注目された。昨年末のQTでは90位。「気持ちを整えられず、準備不足のまま回ってしまった」。出場権がない状況でスタートした今季は、前半戦に最大8試合となる推薦をとってポイントを重ねた。6月のリシャールミル ヨネックスレディス(6月)では2位に入り、7月のリランキングで33位と上昇。後半戦の出場権を得た。

 20年度のプロテストはコロナ下で開催が半年遅れ、最終テストを21年6月に実施。姉妹は史上3組目となる同時合格を果たした。2人は米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平と同じ7月5日生まれ。「いつかは私たちも大谷さんのように、見ている人に勇気を与えられるプロ選手になりたい」と、オフに行ったスポーツ報知のインタビューで語っていた。

 第2日(13日)後には「この位置で回れることがうれしい。楽しまないと損だと思う」と明るく話した。晴天の軽井沢で、先にホールアウトした明愛ら家族が見守る中、岩井千怜が見事に初優勝を手にした。

 「最後は2パットで上がりたかったけど、緊張してちょっと気持ち良く上がれなかったなというのはありますけど、でも優勝できた瞬間はうれしかったです。(ファンへ)今日一日、ワクワクするようなプレーをファンの皆様に見せられたんじゃないかなと、今は冷静に思っています。後半に入ってからのセカンドショットも怖がらずにピンを狙った結果、16番のセカンドショットにつながるような流れが作れたと思います。(15番から双子の姉・明愛がついて見ていたが)全然気づかなかったです。(家族へ)やったよって。やりました! (ルーキーで優勝したが)少し早いと思いますけど、最近いいプレーができていたので続けていれば、優勝できるんじゃないかなと思っていました」

 ◆岩井 千怜(いわい・ちさと) 2002年7月5日、埼玉・比企郡生まれ。20歳。埼玉栄高卒。8歳から父・雄士さんの影響でゴルフを始める。スポーツ歴は陸上。18年に東日本高校選抜春季大会優勝。昨年6月のプロテストに合格。武蔵丘短大在学中(2年)。名前の由来は「賢い子に」と名付けられた。162センチ、59キロ。

 ◆JLPGA史上、双子の選手の優勝は初 双子の女子プロは元プロ野球ソフトバンクコーチの久保康生氏の娘・啓子(2008年入会)&宣子(のりこ、10年入会)、池内絵梨藻&真梨藻(ともに10年入会)、本山恵子&裕子(ともに1991年入会)、岩井明愛&千怜が4組目。優勝は千怜が初めて。

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