史上初のジュニアゴルフ世界4大メジャーのグランドスラムを達成し「天才少女」と呼ばれる11歳の須藤弥勒(ゴルフ5)は20日、プロパッティングツアー最終戦の全日本選手権(11月12、13日、静岡・フジ天城GC)で賞金ゲットを誓った。
弥勒は19日に富山・富山CCで開催された「プロパッティングツアー2022」の第15戦と第16戦に出場。第15戦は29人中13位、第16戦は26人中6位だった。パッティングツアーは、その名の通り、パットだけのグリーン上の勝負。約3メートル~約20メートルの距離で18ホールが設定され、パー36で争う。パットの名手の大人に交じって出場した11歳は第16戦で見せ場をつくった。終盤まで上位につけていたが、最終ホールで痛恨のダブルボギーをたたき、プレーオフ進出を逃した。
8~9月にかけて日本女子ツアーのニトリレディス、ゴルフ5レディスのプロアマ戦に参加し、同組で回った申ジエ(スリーボンド)や小祝さくら(ニトリ)からパットの技術を称賛されたが、19日のパッティングツアーでは厳しく自己採点した。「まだまだ、全然、ダメです。全日本選手権までにストローク、読み、距離感、すべてでレベルアップしたい」と話した。
今年からアマ資格の規定が大幅に改定され、アマチュアゴルファーも無制限でスポンサー収入を得ることが可能になり、抜群の実力と存在感を持つ弥勒のもとにはオファーが殺到。その中で「ゴルフ5」と所属契約を結ぶなど、現在、12社・団体のスポンサーを持つ。
また、今年のアマ規定の改定では、ドライビングコンテストやパッティング大会などではアマチュアは上限なしで賞金を得ることもできるようになった(通常のゴルフ競技では1000ドル=約14万3000円)。年間を通じた成績の上位選手だけが進出できるプロパッティングツアー最終戦の全日本選手権は賞金総額300万円、優勝100万円。「アマチュアも賞金を頂ける、ということでモチベーションが上がります。賞金を獲得したいです」。弥勒はスポンサー収入に加え、ガチンコ勝負による賞金ゲットに強い意欲を示した。
◆須藤 弥勒(すとう・みろく)2011年8月6日、群馬・太田市生まれ。11歳。1歳からゴルフを始め、東大出身の父・憲一さんの緻密な指導を受ける。17、18年に世界ジュニアゴルフで連覇し、頭角を現す。19年にマレーシア世界選手権、21年にキッズ世界選手権、今年6月にジュニア欧州選手権優勝し、ジュニアゴルフ界の4大メジャーを制覇。今年8月から横峯良郎氏に弟子入りした。現在、ドライバーの飛距離は210~220ヤード。家族は父、元フィギュアスケート選手の母みゆきさん、兄・桃太郎君、弟・文殊君。145センチ、52キロ。