女子プロゴルフツアーの今季開幕戦ダイキンオーキッドレディスは29日から4日間、沖縄・琉球GC(6595ヤード、パー72)で開催される。2年連続年間女王の山下美夢有(みゆう、22)=加賀電子=は28日、プロアマ戦後に会見し、史上4人目の3年連続女王と、今夏のパリ五輪代表へ意欲を見せた。オフには体力アップに取り組み、長いシーズンでの“両取り”に向けて本気モードだ。
今季も“定位置”の女王の座は守る。山下は「結果としてついてきたら」と、一試合ずつの積み重ねだと強調。3年連続女王は過去、樋口久子、ト阿玉、不動裕理の3人だけ。快挙への挑戦権を得ても、おごりはない。「(年間女王を)取るためには技術もレベルアップしないと。毎試合どう攻めていくか考えていく」と気を引き締めた。
目標達成と長丁場を乗り切るための体をつくってきた。オフは筋力トレーニングと走り込みを重点的に行った。「昨年は後半戦から体力が落ちて、スイングのキレもなくなった」と取り組みの狙いを説明。筋肉量が増えたといい、顔つきは昨季よりもシャープな印象だった。食事面でも母・有貴さん(47)の手料理を中心に、油ものを控えるなど節制生活を送っている。
スイングに関しては、まだ未完成だとする。「同じスイングができていないことが多い。完璧にできるように、調整しながらやっていこうかな」と再現性を追求。ショットは昨年と同じ練習量で、シーズン中に理想型に持っていく。
年間女王と同時に、パリ五輪出場への強い思いを持ち続けている。最新の世界ランクは22位で日本勢3番手。現在、日本の代表枠は「2」だが、同ランク15位以内に入ればほぼ自動的に切符を得る。「いい位置で戦えている。(代表決定の)6月までしっかり一試合、一試合頑張っていきたい」。18日に開かれた昨季の女王を祝うパーティーでは「フランスに行きたい。15位以内に入ります」と宣言。日の丸への意欲は隠さない。
今大会は4年連続4度目の出場で、最高成績は22年の4位。「毎年セッティングも難しくて苦戦する。今年はそれを乗り越えられるように」。毎試合優勝を狙う今季は「海外メジャーで成績を出せるように頑張りたい」と海を越えての活躍も視野に入れる。さらに強く。2024年の山下は、昨季以上に女王の貫禄を見せつける。(富張 萌黄)
◆山下 美夢有(やました・みゆう)2001年8月2日、大阪・寝屋川市生まれ。22歳。5歳から父の影響でゴルフを始める。大阪桐蔭高3年時の19年に全国高校ゴルフ選手権で優勝。同年11月のプロテストに合格し、21年のKKT杯バンテリンレディスで初優勝。22、23年は年間5勝ずつを挙げ、2年連続で年間女王に輝く。通算11勝(うち国内メジャー3勝)。150センチ、52キロ。家族は両親と弟、妹。