第３７回全国小学校ゴルフ選手権　横尾要カップ成績

2015年8月6日（木）　参加　57人
富士OGMゴルフクラブ出島コース（茨城）/晴れ

 

未来の石川遼、宮里藍を目指す“ちびっこゴルファー”たちが、学年、男女別６部門に分かれて優勝を争う「全国小学校ゴルフ選手権　横尾要カップ」が６日、霞ケ浦西岸の「富士ＯＧＭゴルフク ラブ出島コース」で行われた。灼（しゃく）熱の太陽の下、高低差１５メートルのフラットなコースで未就学児童（スーパージュニア）から小学６年までの男女 ５７人が、各部門のナンバーワンを競った。

 

◆プロの登竜門

　小学生の「ゴルフの祭典」は今回、３７回目を迎えた。２００４年には、当時小学校６年生だった石川遼が出場し、優勝を飾っている。さらに、今季プロデビューした“ポッチャリ王子”こと 古田幸希や伊藤誠道。女子でも葭葉（よしば）ルミ、小楠（おぐす）梨紗ら多くのプロがこの大会から巣立っている。

　大会のメイン「５―６年生男子」の部で優勝したのは熊谷拓海くん（６年）。１５４センチ、５８キロでドライバーの飛距離は２１０ヤード。５歳でクラブを握り「小学校に入学してから真剣に取り組むようになった」以後、メキメキ力をつけた。同女子の部を制した大郷光瑠（ひかる）さん（５年）は、５オーバー７７で上級生を打ち負かした。そして、「１―２年生の部」で弟の喜一くん（２年）も優勝。大会初の“姉弟同時Ｖ”を達成して大喜び。

　一方、大会最年少出場となった３歳の越水愛理花（えりか）ちゃんは１６５の大叩きにガックリ。芝の照り返しが強く４０度を超す猛暑に集中力を欠いてしまったようだ。さらに「いつもはお昼寝の時間」（父・隆行さん）だっただけに仕方がないところだ。

　この愛理花ちゃんがゴルフを始めたのは、たまたま宮里藍プロと話すチャンスがあり、「何をやるにもしても１番を目指して…」と激励を受けたから。何事を始めるのにも、必ずきっかけはあり、スタートさせるのは簡単だ。しかし、それを継続するのは難しい。長く続けるためには、何らかの目標が必要。そして、それにチャレンジする心意気と、そこに至る過程こそが大事な要素になる。この大会がそんな小学生たちの一つの目標になっている。

　ゴルフには、大人のスポーツというイメージが付きまとうが、どんな小さな子供にも「好きになれる要素」はある。

　こんな話を聞いた。５歳の子を持つある家族が知人宅を訪ねた時、知人は「子供を飽きさせないために…」とディズニーチャンネルの番組をつけてくれた。しかし、子供はそれには興味を示さず「ゴルフチャンネルが見たい…」と駄々をこねたという。さらに、別の５歳は寝言で度々「ナイスバーディー」と叫ぶらしい。どっぷり魅力に取りつかれた証拠だろう。

　１９９０年に１２５０万人だった ゴルフ人口が今では８５０万人（推定）まで減少している。人口の減少傾向に加え、国民のスポーツ離れがこれに拍車をかけ、ジュニアゴルファーの育成はゴルフ界にとっての急務。危機感を持つ日本プロゴルフ協会（ＰＧＡ）や日本女子プロゴルフ協会（ＬＰＧＡ）なども若年層への普及に力を入れている。そんな状況下、この大会は小さな子供たちにゴルフの魅力や競うことの楽しさを伝える伝道師の役割を担っている。

　次回は冬休み開催予定。（古賀敬之）

◇競技方法　未就学児童を対象にした「スーパージュニア」「１―２年生」の部は男女混合で、「３―４年生」「５―６年生」は男女別々に１８ホール・ストロークプレーで優勝を争う。年齢や体力差などを考慮し、ヤーデージは部門別に設定される。

 

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