杉浦悠太「プロとして優勝できるように」昨年アマVも通過点 史上2人目ルーキー賞金王&海外ツアー挑戦目指す


今季の目標を色紙に記した杉浦(カメラ・宮崎 亮太)

今季の目標を色紙に記した杉浦(カメラ・宮崎 亮太)

 男子プロゴルフツアーの今季開幕戦、東建ホームメイトカップは28日から4日間、三重・東建多度CC名古屋(7069ヤード、パー71)で開かれる。昨年のダンロップフェニックスで1973年のツアー制施行後、史上7人目のアマチュア優勝を果たした杉浦悠太(22)=フリー=が、27日までにスポーツ報知のインタビューに応じた。プロ実質1年目となる今季は「プロ1勝」を目指す。さらに、史上2人目のルーキー賞金王の快挙と、海外ツアー挑戦を見据えた。(取材、構成=富張 萌黄、岩原 正幸)

 杉浦は昨年のダンロップフェニックスでアマチュア優勝。海外メジャー覇者の松山英樹(32)、ウィンダム・クラーク、ブルックス・ケプカ(ともに米国)ら世界の強豪プロを抑えて快挙を達成した。

 「今までで一番緊張した。(ウィニングパットを)入れた瞬間もホッとはしたんですけど、緊張しすぎて。先輩たちに勝てたことは自信になった。ずーっと連絡を取っていなかった同級生から連絡が来たりして、すごくうれしかった」

 優勝インタビューでプロ転向を即宣言。昨年2試合をプロとして出場も、試合への向き合い方はアマ時代と大きな変化はないという。

 「優勝を目指してやることは変わらないので、いつも通りやっている。プロって呼ばれることには慣れてきた」

 今季はプロとして24試合を転戦予定。昨年はいずれもアマV経験者の中島啓太(23)、蝉川泰果(23)、金谷拓実(25)が賞金ランクトップ3に君臨。杉浦も同じような活躍を思い描く。

 「去年の優勝はすごいうれしかったですけど、もう一回ここで気を引き締めて、またプロとして優勝できるように頑張りたい。アマで優勝している歴代の方たちは、そのままずっと活躍されているので、そこに続いて賞金王争いをしたい」

 10歳から憧れは元世界ランク1位のルーク・ドナルド(英国)だった。身長は同じ172センチで、ともにミズノと用品契約を結ぶ。小学6年間は野球選手で投手と外野手だった。平均300ヤード近い飛距離はその経験も生きているという。

 「(ルークは)世界で活躍していて、見た目も格好いい。ミズノを使っているのを見て、より好きになった。平均よりは飛ぶ方なので、野球をやっていたことが今の飛距離につながっているのかなと思う」

 開幕戦は地元の愛知・高浜市から近いコースで開催される。初出場だった昨年は11位と相性は悪くない。

 「去年、自分では納得いくようなゴルフができて、いいスタートが切れた場所。イメージもいいので開幕戦から優勝を目指したい」

 狙うは13年の松山以来、ツアー2人目の新人賞金王だ。さらに、近い将来の海外挑戦も視野に入れている。

 「まずはプロとして1勝するというのはあるんですけど、賞金王になれるように頑張りたい。世界の一番上のフィールド(米ツアー)で優勝争いできるような選手になりたい」

 ◆杉浦 悠太(すぎうら・ゆうた)2001年9月12日、愛知・高浜市生まれ。22歳。4歳から父の影響でゴルフを始める。小学生時代は野球もプレーした。強豪の福井工大福井高で腕を磨き、18年の日本ジュニアなどで優勝。20年、日大国際関係学部に入学。23年、ダンロップフェニックスで史上7人目のアマチュア優勝を果たし、プロ転向。得意クラブはウェッジ。ドライバーの平均飛距離は290ヤード。家族は両親と妹。172センチ、74キロ。

 ◆男子のアマチュア優勝 1973年のツアー制施行後、80年の中四国オープンで倉本昌弘が初めて達成。2007年には当時高校生の石川遼が、史上最年少15歳245日でプロを撃破した。その後は松山、金谷、中島と国内外で活躍する選手が達成。22年には蝉川が史上初となるアマ2勝を成し遂げた。倉本は通算30勝の永久シード保持者。石川、松山、中島は賞金王に輝いている。

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