「守ってくれている感じがする」感謝の気持ちをコーデに込めて 女子ゴルフ双子姉妹で「母の日&父の日V」


黄色いリストバンドを身につけた岩井明愛は今季2勝目を挙げガッツポーズ(カメラ・今西 淳)

黄色いリストバンドを身につけた岩井明愛は今季2勝目を挙げガッツポーズ(カメラ・今西 淳)

◆女子プロゴルフツアー ニチレイレディス 最終日(16日、千葉・袖ケ浦CC新袖C=6584ヤード、パー72)

 3打差5位から出た岩井明愛(あきえ、21)=ホンダ=が9バーディー、1ボギーのこの日最少64で回り、通算13アンダーで逆転優勝を飾った。3週ぶりとなる今季2勝目、通算5勝目。5月12日に双子の妹・千怜(ちさと)が「母の日V」を達成したのに続き、姉が父・雄士さん(51)の前で「父の日V」を飾った。今週のメジャー、全米女子プロ選手権(20日開幕・米ワシントン州サハリーCC)に弾みをつけ、大逆転でのパリ五輪切符獲得の可能性もつないだ。

 終盤に勝負強さを見せた。岩井明は16番で第2打をグリーン右手前のバンカーに入れたが、残り20ヤードからウェッジでカップにねじ込み、首位の佐久間に並んだ。最終18番パー5は2メートルのバーディーパットを沈めて両手でガッツポーズ。3連続バーディーで締めて逆転し、「心の中は緊張していた。最後まで気を抜かずにいくことができた」と喜んだ。

 千怜が5月のRKB×三井松島レディスで母・恵美子さん(49)に贈る2年連続「母の日V」。その試合では3日間、姉妹でピンクコーデのウェアを身につけて感謝を示した。迎えた今大会、姉妹は青を基調としたウェアと、父の日のイメージカラー・黄色のリストバンドを身につけた。「スタート前は父の日に思い出に残るショットが打てたらな、と思っていた」。人として、ゴルファーとして導いてくれた父・雄士さんへ伝えたいことがあった。

 父の日だった昨年大会の最終日は初の姉妹最終日最終組となったが、明愛が2位、千怜が3位と優勝には届かず、悔しさが残った。ツアーに同行し「笑顔で楽しんでこい」と、変わらず激励してくれる父の存在について、「私たちがプレーしやすいように、守ってくれている感じがする」と感謝を口にした明愛。「優勝できて、最高のプレゼントになった」と声を弾ませた。

 世界ランクは日本勢6番手の43位から、30位台に上昇する見込み。今週の全米女子プロ終了後、世界ランキングで日本勢の上位2人が出場権を手にするパリ五輪代表切符。ポイントの大きいメジャー大会で優勝に絡む順位で終われば、逆転の可能性もある。「(五輪への思いは)あります」と言い切り、「千怜もいるし、(メジャー出場の)楽しみが倍になる」と大一番を見据えた。父に届けたいプレゼントがまだ残っている。(岩原 正幸)

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