◆米女子プロゴルフツアー メジャー第3戦 全米女子プロ選手権 最終日(23日、米ワシントン州サハリーCC=6731ヤード、パー72)
2位から出た山下美夢有(みゆう、22)=加賀電子=が3バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの73で回り、通算4アンダーでメジャー自己最高の2位に入った。大会前の世界ランクで日本勢4番手だったが、ポイントを大きく加算し、19位だった古江彩佳(24)と、予選落ちした畑岡奈紗(25)を抜き、パリ五輪の出場権を手にした。笹生優花(23)は全米女子オープンで優勝し、既に1番手が確実となっていた。
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会場で試合を見守った山下の母・有貴さん(48)が、スポーツ報知の電話取材に応じ「最後(18番で)バーディーを取って2位で上がれたからよく頑張った。主人(コーチの勝臣さん)も褒めてました」とねぎらった。娘からは「(勝てなくて)悔しいけど楽しかった」と報告を受けたという。大会期間中、滞在先ではカレーやステーキ、好物の母特製「きのこと野菜入りクリームスープ」で力を蓄えた。
五輪争いの真っただ中のワールドレディスサロンパスカップ(茨城)。母の誕生日だった最終日(5月5日)に10番で単独首位に立ちながら4位に敗れ、両親の前で涙した。「ママごめんな」と泣き崩れる娘に「その気持ちだけでうれしいから」と優しく声を掛けた。今回、目標としていた海外メジャーで2位と健闘し、大逆転で初めての五輪切符をつかんだ。「(パリも)行きますよ。いい経験になりますね」と有貴さん。いつもそばで支えてくれる大切な存在へ、最高のプレゼントとなった。(岩原 正幸)