◆女子プロゴルフツアー スタンレーレディスホンダ 最終日(6日、静岡・東名CC=6610ヤード、パー72)
首位から出たプロ3年目の佐藤心結(みゆ、21)=ニトリ=が涙の初優勝を飾った。5バーディー、1ボギーの68をマークし、大会記録に並ぶ通算15アンダー。勝利が決まると両手を天に突き上げ、大粒の涙を流した。2003年度生まれの「ダイヤモンド世代」では竹田麗央(りお)、川崎春花、桜井心那、神谷そら、尾関彩美悠に続く6人目の優勝となった。
2番でボギーを喫し、トップと3打差で折り返したが、14番から4連続バーディーを奪い逆転した。表彰式で「思い入れのあるコースと思い入れのある大会で初優勝することができて、とてもうれしく思います。支えてくれた家族、スポンサーの皆様、チーム、ファンの皆様に、やっと恩返しすることができたなとホッとしています。これからも2勝、3勝とできるように頑張ります」と喜びを語った。
高校3年のアマチュア時代に最終日をトップで迎えながら、4人によるプレーオフの末に渋野日向子(サントリー)に敗れた2021年大会の雪辱を果たした。トップに立った第2ラウンド後には「自分にとって思い入れのある試合。2021年は2021年、今年は今年で別で考えていきたいけど、本当にいいイメージはある」と話していた。
今季は予選落ちが17回と苦戦が続き、大会前のメルセデスランクは84位と低迷。ツアールーキーだった22年から保持してきたシード喪失の危機に追い込まれていた。出場資格がなかった前週の日本女子オープン最終日をコースで観戦。優勝した同学年の竹田のプレーに熱視線を注いだ。「麗央はピンチになったときのリカバリーがうまい。簡単にスコアを落とさないし、食らいついている。そういう強さを感じた」。耐えることを自らに課した今週、最後まで自分を信じて戦い抜いた。
◆佐藤 心結(さとう・みゆ)2003年7月21日、神奈川・小田原市生まれ。21歳。茨城・明秀学園日立高卒。7歳で祖父の影響でゴルフを始める。21年の日本女子アマで3位、22年にプロ転向した。メルセデスランクは22年が29位、23年が39位。運動神経抜群で、小5でソフトボール投げ44メートルを記録。スポーツ歴はサッカー、陸上・砲丸投げ。憧れの選手は畑岡奈紗とリディア・コ(ニュージーランド)。得意クラブはドライバー。家族は両親、兄。161センチ、57キロ。