◆報知新聞社主催 男子プロゴルフツアー メジャー最終戦 日本シリーズJTカップ 第3日(30日、東京よみうりCC=7002ヤード、パー70)
25位で出た賞金ランク6位の石川遼(33)=カシオ=は、ツアー屈指の難関ホールの18番でバーディー締めで喝采を浴びた。ピン手前7メートルから真っすぐ強めに打って沈めると、グリーン周りに集った約800人が沸いた。15年、19年大会王者は両手を広げて大歓声を浴びた。6バーディー、4ボギーの68で通算1オーバーの16位に浮上。「最後はラッキーでした。良いタッチ(距離感)で打てた」とようやく笑みがこぼれた。
初日の出遅れを挽回できず、もどかしかった。1番パー4の第2打は「良かった」ショットが硬いグリーンの急傾斜を転がり、奥にこぼれた。アプローチを珍しくミスし、出だし2連続ボギー。2日目までの悪い流れを断ち切れず「1日1個もしたくないミスが3、4つ出ている。自分がやりたいゴルフではない」。ビッグスコアでの上位浮上はできず、悔しがった。
当時18歳でツアー最年少の賞金王に輝いた、09年以来の王座奪還には優勝が絶対条件だ。首位の中島と12打差。この大会での最終日最大逆転は7打差と厳しいが、石川の一打に懸ける思いは変わらない。「最後に自分のゴルフをしたい思いが強い」。節目のツアー20勝目も飾ったシーズンの最後のラウンドで、全力を振り絞る。(宮下 京香)