「なんとか耐えた」歴代4位97戦連続出場の鉄人・片岡尚之がショットに苦しむも3年ぶりV&メジャー初勝利へ1差2位


10番、力強くティーショットを放つ片岡(カメラ・中島 傑)

10番、力強くティーショットを放つ片岡(カメラ・中島 傑)

◆報知新聞社主催 男子プロゴルフツアー メジャー最終戦 日本シリーズJTカップ 第3日(30日、東京よみうりCC=7002ヤード、パー70)

 69で回った片岡尚之(26)は1打差2位からメジャー初制覇を狙う。

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 ため息がこだました。最終18番、片岡の約3メートルのバーディーパットはカップ目前で左にそれた。スコアを1つしか伸ばせず、3日目を終えることとなり「今週で一番ショットが悪かった。前半から苦しんで、悔しい内容」とガックリ。それでも、首位と1打差2位につけ、3年ぶりのV&メジャー初勝利へ好位置を死守した。

 同じ最終組の中島やノリスが伸ばす中、必死に食らいついた。6番パー5。第2打がバンカーのあごに当たり100ヤードほどしか飛ばず。それでも3打目をピン左のグリーンエッジにつけ、8メートルをパターで沈めてバーディー。「下手したら3つ、4つ(ボギーを)打っていたかもしれない感じではあったけど、なんとか耐えた」。一日苦しんだショットも、18番の第1打は手応え十分。「最後、すごいいい感覚のショットで終わった」と、最終日の復調を予感させた。

 初優勝した21年5月のジャパンプレーヤーズチャンピオンシップ・サトウ食品から、97試合連続で出場中。記録が残る85年以降では歴代4位の記録だ。171センチ、67キロと小柄ながら「休んでいる間に賞金ランクも(抜かれる)というのもあるので出られる試合は出たい」。腰痛持ちで21年11月、23年8月の大会では練習中にぎっくり腰に。欠場もよぎったが「出てダメだったら棄権」と強行出場して2位に入った。「鉄人のイメージだと(ツアー最多151試合連続出場の)宮本(勝昌)さんとか。すごい長く僕もやりたい」と端正なマスクの下に熱い思いを抱く。

 ツアー屈指のパット巧者はプロ4戦目での初Vから約3年間、2位は6度を数えながら優勝には届かず。今季後半は予選通過も危うい試合が続いたが、「試合で得られるものがある」と歩みを止めなかった。今大会を制すと、北海道出身の選手では初。メジャー制覇も高橋勝成以来、37年ぶり2人目の快挙となる。「明日、いいゴルフができれば」。重ねた95試合分の悔しさを、3年ぶりの栄冠への原動力にする。(瀬川 楓花)

 ◆片岡 尚之(かたおか・なおゆき)1997年12月28日、北海道・江別市生まれ。26歳。2歳からゴルフを始める。札幌光星高2年時の2014年、日本ジュニアで初優勝、日本アマでもベスト8に進出。16年に東北福祉大に進み、4年時の19年にプロ宣言。自身4戦目の21年5月、ジャパンプレーヤーズチャンピオンシップ・サトウ食品でツアー初優勝。20―21年季に賞金ランク19位でシード。パットが得意。171センチ、67キロ。

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