駅伝大好き女子プロ、名将からパワー「自然も豊か」箱根で佐藤心結が2勝目狙う


キャディーを務める兄の俊貴さんとともにラウンドした佐藤(カメラ・今西 淳)

キャディーを務める兄の俊貴さんとともにラウンドした佐藤(カメラ・今西 淳)

◆女子プロゴルフツアー CATレディース 第2日(23日、神奈川・大箱根CC=6652ヤード、パー72)

 8位で出た佐藤心結(みゆ、22)=ニトリ=は6バーディー、4ボギーの70で回り、通算6アンダーで首位と3打差の6位に浮上した。神奈川・小田原市出身で、今大会と同じ箱根町が舞台の正月の風物詩・箱根駅伝を家族で現地観戦する大ファン。「地元」と誇る箱根の地で、キャディーの兄・俊貴(しゅんき)さん(23)とのきょうだいタッグで昨年10月以来の2勝目を狙う。桜井心那(21)=ニトリ=が70で回り、9アンダーの単独首位で2年ぶりの5勝目に王手をかけた。

 “箱根の申し子”が逆境を耐え抜き、V戦線に残った。佐藤は出だし1、2番と連続で伸ばし、10番まで5バーディーを量産。一時は首位に浮上したが強風や難しいピン位置、高速グリーンに苦戦。11番で2メートルのパーパットを外し「パターの感覚がズレた」とその後4ボギーと失速。それでも、16番で奪い返すなど70と粘った。「しっかり伸ばして上位に残れたのはよかった」とうなずいた。

 相棒のサポートも心強い。この大会はプロ1年目の22年から毎年、兄・俊貴さんをキャディーに起用。スイングのリズムが速い時は指摘してもらい、後半の連続ボギーのピンチ時は「しょうがない。切り替えよう」と背中を押された。「常にポジティブな言葉をくれてありがたい」と感謝。来年就職を控える兄は「キャディーは今年まで。今週で最後かもしれない。一緒に勝ちたい」と必勝を誓った。

 小田原市の実家から車で約1時間と女子ツアーの会場では一番近く「地元っていう感覚です」と佐藤。正月の箱根駅伝は毎年、家族で現地観戦するほど大好き。4~5年前には芦ノ湖の往路ゴール近くで応援し「駅伝もあるし、自然も豊かでパワーをもらえる」と雄大な箱根の山を見つめた。

 今年1月の箱根駅伝は2日に小田原・酒匂(さかわ)橋付近で4区を観戦し、3日は朝に同じ場所で7区を見た後に横浜駅付近に移動して9区を見た。「4区、5区で盛り上げてくれた青学大・原(晋)監督の采配がすごい」と興奮。2年連続総合優勝を飾った原監督と1月末にイベントで対面した際には、固い握手を交わしてパワーももらった。

 22年大会は5差5位、昨年は6差4位で迎えた最終日に伸ばせずV逸。「地元でたくさんの方の声援に応えられるプレーをしたい。優勝を目指して頑張りたい」と佐藤は雪辱を誓う。箱根初制覇に向け、最終日のラストスパートで逆転劇を演じる。(星野 浩司)

 ◆佐藤 心結(さとう・みゆ)2003年7月21日、神奈川・小田原市生まれ。22歳。茨城・明秀学園日立高卒。7歳で祖父の影響でゴルフを始める。21年11月のプロテストに一発合格。24年10月のスタンレーレディスホンダでツアー初V。運動神経抜群で、小5でソフトボール投げ44メートル。スポーツ歴はサッカー、陸上・砲丸投げ。得意クラブはドライバー。161センチ、57キロ。家族は両親と兄。

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