青木瀬令奈が国内男子ツアーで女子初のアンダーパーをマーク 80ヤード近く劣る飛距離をショットの精度でカバーし1アンダー71 前沢杯初日


1番スタートし笑顔を見せる青木瀬令奈(右) 。左はキャディにで参加した成田美寿々(カメラ・頓所 美代子)

1番スタートし笑顔を見せる青木瀬令奈(右) 。左はキャディにで参加した成田美寿々(カメラ・頓所 美代子)

 女子ツアー5勝の青木瀬令奈(33)=リシャール・ミル=が5バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの1アンダー71で71位となり、日本の男子ツアー出場の女子で史上初めてアンダーパーを記録した。ドライバーで80ヤード近く劣る飛距離をショットの精度でカバー。これまで9人が挑戦し突破できなかったイーブンパーの壁を越えた。ツアー未勝利の中西直人(37)=国際スポーツ振興協会=が9バーディーの63をマークして単独首位に立った。

 雨に打たれながら、青木はキャディーの成田美寿々と肩を抱き合った。主催者推薦で初挑戦の男子ツアーで女子で初めてアンダーパーの快挙を達成した。「意識はまったくなかった。率直に悔しいという方が大きい。前半はいいゴルフができていたから」。18番をボギーとするなど、上がり4ホールで2つスコアを落としたことに不満が残った。

 青木の昨季の平均飛距離は222ヤードでツアー90位。女子の中でも「飛ばない選手」の位置づけだ。男子ツアーの昨季平均飛距離(規定ラウンドを満たした選手が対象)は288ヤード。ティーショットで80ヤード離されながら食らいついた。フェアウェーキープ率92・85%は全体1位。得意のフェアウェーウッドとユーティリティーでピンにからめた。

 4番は残り147ヤードからカットめに打った「狙い通り」の第2打をピン手前2メートルに止め連続バーディー。国内女子ツアー5勝の技が光った。同組の宮里優作に「すごすぎ。ここしかないという所に落としてチャンスを作�\x82\x8B。逆に引っ張ってもらっている感じで申し訳なかった」と言わしめた。

 大会の総距離は6652ヤード。昨年の男子ツアーの平均は7153ヤードで、昨季トーナメント全体と比較すると中日クラウンズ(6557ヤード)に次ぎ2番目に短いことも好条件だった。当初は「飛ばないし迷惑をかけるかも」と出場をためらったが「得るものがあるはず」と決断。男子ツアーは女子ツアーに比べてプレーが早い。「とにかくテンポよくやろうと思っていた」ことも、いい流れを生んだ。

 相棒の存在も大きい。親友でツアー13勝の成田とは初タッグ。「めちゃめちゃ助けになった」と感謝した。「今日一日勉強になったし、今後に生かせる部分がたくさんあった。明日からの3日間につなげていきたい」。飛距離はなくても精度で勝負。自分らしいゴルフを積み上げていく。(高木 恵)

 〇…キャディーとして青木を支えた成田は「楽しかった。精度が本当にすごかった。言った所に(球を)落としてくれた」と笑顔で振り返った。まずは18ホールを終え「粗相はそんなにしなかったんじゃないかな。とりあえず、足は引っ張らなかったかな」と安堵(あんど)した。バッグを担ぐのは23年長嶋茂雄招待セガサミーカップで宮里優作と組んで以来。「やっぱり男子はプレーが早い」と3年ぶりにロープの中から眺めた男子ツアーの感想を口にした。

 ◆男子下部ツアーに参戦した女子選手 これまで16人が挑戦。05年カニトップ杯チャレンジに小川あいが初めて出場。18年i Golf Shaperチャレンジでは宮里美香が、女子選手では国内男子ツアー史上初のアンダーパーをマークした。

 ◆青木 瀬令奈(あおき・せれな)1993年2月8日、群馬・前橋市生まれ。33歳。前橋商高卒。2011年7月のプロテストに合格。17年ヨネックスレディスでツアー初優勝。通算5勝。20~22年までは選手会長にあたるプレーヤーズ委員長を務めた。趣味は宝塚歌劇団観賞。153センチ、50キロ。

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