「同じことをしても背中しか追えない」吉田鈴が姉・優利とは違う道を進み6月に人生初優勝


2026年8月23日、優勝トロフィーを手にする吉田鈴

2026年8月23日、優勝トロフィーを手にする吉田鈴

◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」

 吉田鈴(りん)の目に涙はなかった。女子ゴルフのCATレディースでツアー2勝目。8月の箱根に22歳の愛らしい笑みがはじけた。「今までたくさん泣いてきた。よっしゃ~って気持ちが大きかった」。プロテストに4度目で合格した苦労人の言葉がしみた。

 3学年上の姉はツアー4勝の吉田優利。アマ時代から数度の日本一、プロテストは一発合格の「エリートコース」(鈴)を歩んだ姉を見上げてきた。スイングなどを手本とするよう、しばしば周囲に勧められたが「同じことをしても背中しか追えない。姉のコピーはしたくない」と自分で考えた。答えを導き出す力が自然と身についた。

 多かれ少なかれ、姉と比較されるのは宿命だ。「嫌(な気持ち)とかあるかもしれないけど、仕方のないこと。自分のブランドを確立することが大事」。周囲の評価はいい意味で“無視”し、アイアンの精度など自己流を磨いた。学校やコーチ、クラブメーカーなど姉と違う道を進み、6月に人生初の優勝を飾った。

 もちろん学びは多い。アプローチやパット技術に加え「お姉ちゃんは食べる量が半端じゃない。食事はちゃんとしな、と言われた」。連戦で痩せた昨季の経験を踏まえ、食事量を増やした。「1日2400キロカロリー」がノルマ。魚や野菜、納豆など15品目以上が並ぶ写真をスマホで見せる顔は、どこか誇らしげだった。

 姉へのリスペクト、自分を貫く意思の強さがある。吉田鈴のブランドは?の問いに「クールや冷静。その辺かな」とニヤリ。23歳で国内メジャーを制し、海外へ渡った姉に追いつき、追い越す姿を見届けたい。(ゴルフ担当・星野 浩司)

 ◆星野 浩司(ほしの・こうじ) 2008年入社。芸能、サッカー担当を経て25年から現職。

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