申ジエが史上初の国内ツアー4冠達成で涙 「長い一日だった」桑木とのPO3ホール目で制し逆転初V 通算30勝で7人目永久シード獲得


プレーオフ3ホール目で優勝を決めた申ジエ(カメラ・横尾 紗知) 

プレーオフ3ホール目で優勝を決めた申ジエ(カメラ・横尾 紗知) 

◆女子プロゴルフツアー メジャー第3戦 日本女子オープン 最終日(4日、兵庫・宝塚GC旧C=6185ヤード、パー70)

 元世界ランク1位の申ジエ(38)=韓国=が逆転で大会を初制覇し、史上初の国内メジャー4冠を達成した。通算30勝目で、ツアー史上7人目の永久シードを獲得した。2打差2位で出て5バーディー、1ボギーの66で回り、通算11アンダーで並んだ桑木志帆(23)=大和ハウス工業=とのプレーオフ(PO)を3ホール目で制した。優勝賞金3000万円を獲得した。桑木は2位で、史上3人目となる国内外メジャー同一年制覇を逃した。

 強い雨が振りしきる日没寸前のPO3ホール目。申は「入る、入る…」と自分に言い聞かせながら4・5メートルのバーディーパットを沈め、同組の桑木と計21ホールに及ぶ死闘に終止符を打った。両手でガッツボーズしながら体を反らせ、歓喜の雄たけび。1年5か月ぶりの30勝目で永久シードを獲得し、史上初の国内メジャー4冠。「長い1日だった。優勝して泣いたことないけど、すごいうれしい」とうれし涙を流した。

 2打差2位で出た最終日。8番で3打差に広がったが、16メートルを沈めた13番から連続バーディーを奪い、17番は70センチのベタピンで首位に並んだ。POは「好きです。チャンスだと思う」と日本ツアーのPOは12戦8勝で、メジャーでは3連勝と無類の強さを見せた。

 父・ヂェソップさん(66)に「個人競技で世界一に」と勧められ、10歳でアーチェリーに励み、11歳からゴルフを始めた。韓国でプロ転向して21年。38歳になったが、オフは練習より筋トレに励み「体重は14年くらい変わらない。まだ元気だし、経験がある」と胸を張る。計9か国で68勝目。今後へ「長くやりたい。新しい出発の気持ちでいきたい」と高らかに宣言した。(星野 浩司)

 ◆申ジエに聞く

 ―優勝インタビューで涙を流した。

 「日本女子オープンは、3回くらい2位で終わったし、優勝が近い感じがしたけど、その1つがとても難しかった。取りたかった優勝が初めてできて、うれしくて泣くというのが分からなかったけど、やっと分かった」

 ―13番は16メートルのバーディーパットを決めた。

 「正直、ラインが見えた。入るパーセンテージは高くない距離だけど、距離感がいいから信じていこうとしたのが入ってビックリした」

 ―PO3ホール目。決めれば優勝の時の心境は。

 「ずっとパーセーブしながら、初めてチャンスが来た。先に桑木さんがパーで終わって、これがチャンスだと思って、入る、入ると自分で言葉にしながら打った。桑木選手がとても強くて、バーディーじゃないと勝てないと思ったし、私もいい勝負の中ではいいバーディーで終わりたいと思っていた。桑木さんが素晴らしいプレーで一緒に回ってとても嬉しかった」

 ―POは好きか。

 「2人の勝負なので、チャンスがあるという気持ちは強い。周りも関係なく、前向きな、勝負のためのプレーオフだから。好きでは…、好きです」

 ―11歳の時にゴルフを始めたきっかけは。

 「私が生まれて、『個人スポーツで世界一になれるのは何か』とお父さんが言っていて、私はもともとアーチェリーをやっていた。その後、朴セリさんが全米(女子オープン、女子プロ選手権)で優勝して、韓国でゴルフブームになって、お父さんがテレビで見ていて、ゴルフも個人スポーツで世界一を目指せると考えて、着いていきました」

 ―38歳を迎え、体力を維持、上げるために日々取り組んでいることは。

 「休みの週は、練習よりはトレーニングが多い。体重が13~14年くらい変わらなかった。本当に頑張っている体です。このコースは上りも多いし、最後の方は寒くて背中とかも硬くなりやすかった。自分の体のためにも頑張ったのは、今日は雨で忙しかったけど、少しずつ食べながらやった。最後まで勝負は長いと思って、よく食べて行った。おにぎりやナッツ、甘いやつも食べた」

 ―今後の目標は。

 「この優勝のために一生懸命頑張ってやってきた。これから次の目標を考えても遅くない。私のゴルフはまだいくなと思ったし、永久シードも取ったのでずっとゴルフができる。これから体を管理して、またいいプレーしたい。これから後輩たちに見せる部分、新しい出発の感じでいきたい」

 ◆申 ジエ(しん・じえ)1988年4月28日、韓国・全羅道生まれ。38歳。11歳でゴルフを始め、2005年にプロ転向。06年から3年連続で韓国ツアー賞金女王。08年のヨコハマタイヤPRGRレディスで日本ツアー初優勝。09年に主戦場を米ツアーに移し、3勝して賞金女王に。10年に自身初の世界ランク1位。米ツアーはメジャー2勝を含む通算10勝。日本ツアー生涯獲得賞金は15億3000万円超で歴代1位。155センチ、63キロ。

最新のカテゴリー記事