第38回全国小学校ゴルフ選手権 横尾要カップ成績

2016年1月5日(火) 参加 110 人
富士OGMゴルフクラブ出島コース(茨城)/晴れ

 

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◆兄弟同時優勝!

 小林大河くん、翔音くんが〝兄弟同時優勝〟を決めた。5~6年生の部を制した兄の大河くんは元世界ジュニア代表の実力者。前半を1オーバーでターンし、後半の10、11番を連続ボギーとする嫌な展開だったが、174ヤード、パー3の12番で右バンカーから直接カップインさせる会心のバーディー。これでムードを切り替えた。以後は3つのバーディー(1ボギー)で、この部門唯一のアンダーパーをマークした。

 ドライバーの飛距離250ヤードという飛ばし屋。得意の3ウッドでも210ヤードを飛ばすなど、長打力がスコアメークを楽にしている。3歳でクラブを握り、5歳から本格的に始め「バーディー取ったとき、最高の気分ですから…」とゴルフにのめりこんだ。 ギャラリーへ

 そんな兄貴の後姿を追った弟の翔音くんは「兄に負けたくない…」と体格的に劣り、筋力もまだまだだったために、ほぼ毎日200球の打ち込みを終えた後、必ず15分の筋トレを続けた。
その成果からドライバーの飛距離が伸び、4年生ながら200ヤードまで飛ばせるようになり、それが2度目の出場での勝利につながった。 ギャラリーへ

 そんな2人は、パソコンゲームなどにはあまり興味を示さず、テレビ番組もアニメやドラマなど見向きもせず、テレビではもっぱら「ゴルフチャンネル」。学校でクラスメートにゴルフの話をしてもチンプンカンプンで、通じないため、帰宅後に兄弟でゴルフ談議をするのが楽しみ。さらに、妹の愛香さん(3年)もこの大会にも出場して、12位に入っている。

 将来の夢は「世界一のプロ」だと口を揃える。しかし、1番は1人だけと相場が決まっているために「じゃあ、翔音は〝世界2位〟。オレが〝1位〟だ」兄の大河くんが言えば、「嫌、オレが1番を取ってやる!」と翔音くんも言い返す。首から金メダルをぶら下げた2人のチャンピオンの楽しそうな笑顔いっぱいの〝兄弟げんか〟はいつまでも続いた。

◆目標は実力と容姿を兼ね備えた女子プロ イ・ボミ

 5~6年生女子の部で優勝した吉澤柚月さんは、前半のアウトで3つのバーディーを決めるなど快進撃を見せた。それでも、後半に4つスコアを落としたことを悔しがり、せっかくの優勝にも「もう少しいい成績が残せたのに…」と口をとがらせた。 ギャラリーへ

 父・直和さん(45)=自営業=の勧めで6歳の時にクラブを握った。それでも、まだまだ遊びの延長。練習場でボールを打つ程度のものだった。そして、小学校4年生の時に初めてコースを回ったが、この初ラウンドのスコアは130。大人でもコースデビューで130はザラ。しかし、柚月さんは「許せなかった」。そこで、直和さんに「スクールにでも行ってみるか?」の勧めに従って、ゴルフスクールの合宿に参加したのがきっかけで本格的にゴルフに取り組むようになった。学校から帰るなり近くの練習場で毎日200球打ち込み、土日はコースでラウンド。そんな生活を続けるうちにめきめき上達。わずか1年後の昨年の春に、この横尾要カップに挑戦し、初優勝を飾った。

 体も次第に大きくなり、今では161センチとなった。それに連れドライバーの飛距離も伸びて「調子が良ければ、230ヤードくらい」(柚月さん)になった。これまでのベストスコアは1アンダー71。将来の夢は、勿論「プロ入り」だが、目標はイ・ボミ(韓国)。歌手・浜崎あゆみ似の実力と容姿を兼ね備えた女子プロだ。「可愛くって、上手くて、強いから…。あんなプロになりたいです」柚月さんなら、きっとなれる!

◆スーパージュニア

 スーパージュニアの部にスーパースターが誕生した。6歳の根本悠誠(ゆうま)くんだ。総距離が2011ヤードと短いものの、前日の公式練習日ではパー3の3番ホールでホールインワンを決めるなど、ナント! 15アンダー57の驚異的なスコアをマークした。その勢いを本番に持ち込んで、4アンダー68の好スコアを叩き出し、夏冬連覇を決めた。夏の大会でも、スーパージュニアの部でただ1人の70台となる1オーバー73で周囲を驚かせたが、この大会では6年生まで含めた全参加者中、唯一の60台をマークした。

 未就学児童のスーパージュニアの部ではパターを含め、せいぜい7~8本のクラブでラウンドするが、悠誠くんの場合は12本のクラブを巧みに(?)操り、前半4バーディー、後半も3バーディーを決め、ボギーは3つに抑えた。これで千葉・柏さくら幼稚園の年長さんだというのだから、驚きだ。

 国士舘大学の柔道部で活躍した父・大(たかし)さん(36)=自営業=のDNAを受け継いだのか、運動能力に優れている。そこで、大さんは「サッカーや野球、BMXまで色々経験させたのですが、何故かゴルフが気に入ったようです」と明かしてくれた。以来、知人の家に遊びに行き、知人が気を使ってテレビで「ディズニーチャンネル」をかけてくれると、悠誠くんは「これ見たくない! ゴルフチャンネルに替えて!」と駄々をこねるほど、どっぷりゴルフに浸かっているそうだ。勿論、練習もハンパナイ。6歳幼稚園児が練習場を〝ハシゴ〟して、1日に1500球も打ちまくっている。「それで、手首も体も何とも無いんですよね…」と父親も不思議がった。

 この横尾要カップは、小学校の長期休暇に合わせて、春、夏、冬と年3回実施され、4大会連続優勝の記録はあるが、悠誠くんは、そんな大記録を軽々と超えていきそうだ。 ギャラリーへ

◆1~2年生

 1~2年生の部で大郷喜一くん(諏訪市立豊田小2年)が1オーバー73をマークし〝夏冬連覇〟を達成した。前半のアウトを1アンダー35で折り返し、後半のインでスコアを1つ落としたものの堂々の成績。2013年のスーパージュニア時代にも夏冬連覇をしており、自身2度目の快挙。加えて2014年の夏にも1~2年生の部で勝っており、大会通算5勝目をマークした。今回は、パッティングが好調で「3パットが無かった」のが勝因だったという。 ギャラリーへ

 5~6年生女子の部で5位に入った光瑠さん(同6年)に倣って3歳でクラブを握り、連日の練習に加え、週末はラウンド練習。また、長野県諏訪市在住で喜一くんや光瑠さんの隣県・山梨での大会や、関東、関西地区への長距離移動を伴う大会遠征に備えて父・守利さん(45)=自営業=は、大枚715万円をはたいてキャンピングカーを購入した。練習ラウンドも2人合わせて年間100ラウンドを超す。当然、経済的な負担は増すばかり。結局、守利さんは、自らのプレーを断念せざるを得なくなった。「でも、子供たちが徐々に上手くなっていくのを見るのが楽しい」そうだ。

 クリクリ目玉の喜一くんのドライバーはまだ160ヤード程度だが、これからはどんどん飛距離は伸びそう。

 「これからも優勝の記録を伸ばしたいです」とあどけない表情にはやる気が溢れていた。

◆最年少出場

 出場110人中、最年少、昨年末に4歳になったばかりの越水愛理花(東京・ミニマックス・インターナショナル)が夏にマークした165を一気に100までスコアを縮めた。

 年末に風邪を引き、40度を超す高熱に見舞われ、出場が危ぶまれたが無事ラウンドできた。夏の大会ではドライバーの飛距離が40ヤード程度。ボールに当てるのが精一杯だったが、この大会では70~80ヤードと飛躍的に伸びた。

 大会競技委員長の千葉晃プロが「飛距離が1・75倍に伸び、スコアが60%も縮まる方法をレッスン書で出したら売れるだろうな…」と冗談を飛ばしたほどの躍進ぶりだった。

 「4パットが1度もなかったし、楽しかった。次はもっと上手になってくる」ラウンドには父・隆行さんが付きっ切り。今回は飛距離のみならず、パットが好調だった。タイガー・ウッズら世界のトッププロがするように、パッティングする前のルーティンワークを重視した成果だ。構えに入る前に、ボールの後ろに立って、カップとの距離やラインを把握させて感覚を養い、イメージを頭に叩き込んでから立つようにした。そのルーティンが功を奏し、この日はすべて3パット以内で収めることができた。4パットすると泣き出してしまうというが、この日は1度も泣かずに済んだ。

 以前、宮里藍プロとたまたま出会った時に「やるからには1番を目指せ!」と激励されたことがあるそうで、まだ3歳だった夏に比べると一段と進歩。最下位で涙してから、わずか4か月ほどで、年上を抑え7位まで躍進するなど、着実に「1番」に近づいている。

 国内には、3~5歳児が男女合わせ320万人(女児150万人)ほどいるが、「ジョーダン・スピースが好き」という4歳児は極めて珍しい。やっと100センチまで成長し、ポニーテールをなびかせた愛理花ちゃんが首位を脅かす日は近い。

◆3~4年生女子

 3~4年生女子の部で83をマークして初優勝した桑村美穂(千葉・市立宮崎小4年)は。前日の練習ラウンドを75で回り、その数字を目標にしたが、固くなっていたグリーンにてこずり、思うようなパッティングが出来なかった。だから、バーディーが1つも取れず、せっかくの優勝にも不満顔。「パターがいまひとつでした。カップをなめて行くようなパッティングばかりで…そのうちいくつかが入っていれば…」とショックを隠しきれなかった。

 毎日、ドライビングレンジで約2時間は打っている。お陰でドライバーも190ヤードは出るようになり、苦手だったロングアイアンも今では得意クラブの1つになった。それだけに思うように伸びなかったスコアを悔いた。「まだ、次回があります。この次は満足のいくスコアを出したい」と、最後まで順位よりスコアに拘(こだわ)っていた。 ギャラリーへ

 

◇第38回全国小学校ゴルフ選手権 横尾要カップ成績

スーパージュニアの部 (2011ヤード)
氏名 年齢 Total Out In
1 根本 悠誠 6歳 68 34 34
2 荻原すいみ 6歳 75 37 38
3 星野 煌貴 6歳 76 38 38
4 天野 季一 5歳 80 43 37
5 猪飼 紗玖 6歳 87 43 44
6 山崎 暖真 6歳 91 48 43
7 越水愛理花 4歳 100 50 50
8 須藤  樹 4歳 103 50 53
9 八木沢迦音 5歳 109 55 54
10 西脇 優衣 6歳 118 62 56
11 飛毛青汰狼 5歳 134 71 63
1年生~2年生 男女の部(3357ヤード)
氏名 学年TotalOutIn
1 大郷 喜一 2 73 35 38
2 瀬谷 里美 2 75 39 36
3 松山寿輝也 2 76 38 38
4 小林麟太郎 2 77 40 37
5 新地真美夏 2 79 39 40
6 須藤みかな 2 82 43 39
7 木暮 凌太 2 82 39 43
8 吉田  悠 1 86 46 40
9 山本 咲道 2 86 49 37
10 滝田真太郎 1 91 46 45
11 山脇 遼河 2 95 51 44
12 成田 晃規 2 101 55 46
13 清藤 羽琉 1 107 51 56
14 加藤 誠規 2 113 55 58
15 飛毛 皓惺 1 122 60 62
16 森口ユリナ 1 138 69 69
3年生~4年生 男子の部(5476ヤード)
氏名 学年 Total Out In
1 小林 翔音 4 75 36 39
2 亥飼  陽 4 78 37 41
3 齊藤 大翔 4 80 39 41
4 時本 晃志 4 83 41 42
5 吉澤 北斗 3 86 39 47
6 榎本 聖大 4 88 46 42
7 猪飼 航太 4 89 45 44
8 八木沢浩心郎 3 91 41 50
9 西本 悠冶 3 91 42 49
10 山本 花道 4 93 47 46
11 佐藤 貴裕 4 95 46 49
12 川村 尚史 4 95 45 50
13 新地 秀哉 4 96 47 49
14 市村翔太郎 4 97 45 52
15 中田 一颯 3 98 50 48
16 相浦 大輝 3 100 51 49
17 大隅龍之介 3 101 47 54
18 廣井 惇人 3 102 48 54
19 関  翔汰 3 106 53 53
20 星  仁貴 3 106 56 50
21 高橋康士郎 3 108 55 53
22 高崎 友輔 3 117 61 56
23 水野 太雅 3 117 58 59
24 鈴木 礼雄 4 127 59 68
3年生~4年生 女子の部(5476ヤード)
氏名 学年 Total Out In
1 桑村美穂 4 83 41 42
2 馬場 咲希 4 84 43 41
3 飯田  茜 4 86 39 47
4 栗田 怜奈 4 87 43 44
5 茶木 詩央 4 88 42 46
6 小林イリス 3 90 43 47
7 宮城  葵 4 91 43 48
8 平山 奈那 4 91 43 48
9 西澤 香那 4 92 46 46
10 鈴木 菜央 4 93 44 49
11 鈴木能々子 3 94 47 47
12 小林 愛香 3 94 46 48
13 池羽 未来 4 96 48 48
14 倉持  凪 4 98 45 53
15 萩生田みらん 3 99 49 50
16 西脇 真帆 3 104 47 57
17 中田 織乃 3 122 59 63
5年生~6年生 男子の部(6456ヤード)
氏名 学年 Total Out In
1 小林 大河 6 71 37 34
2 菱木 郁弥 6 78 40 38
3 福井 勇悟 6 80 40 40
4 隅内 雅人 5 83 45 38
5 坂田 一真 6 83 43 40
6 大野  倖 6 83 37 46
7 小島 圭翔 6 84 40 44
8 岡野 正輝 6 84 43 41
9 彦田俊太郎 6 86 46 40
10 花澤 賢弥 6 87 42 45
11 熊谷 拓海 6 88 45 43
12 向後 太賀 6 89 45 44
13 小山 叶人 6 90 47 43
14 小泉 良太 6 91 44 47
15 高橋 幸生 6 92 45 47
16 岩井 光太 5 92 47 45
17 田中 翔大 6 92 43 49
18 大岩 慶尚 5 93 45 48
19 栗田 圭吾 6 93 42 51
20 水上  仁 6 93 49 44
21 豊  太陽 6 94 47 47
22 島貫海輝登 5 97 47 50
23 佐藤 友樹 5 100 47 53
24 林  煌世 5 116 57 59
25 箕川  慧 5 137 63 74
5年生~6年生 女子の部(6027ヤード)
氏名 学年 Total Out In
1 吉澤 柚月 6 75 35 40
2 荻原いなほ 6 80 43 37
3 森口稔楠帆 6 80 38 42
4 黒木 優香 6 81 37 44
5 大郷 光瑠 5 83 40 43
6 秋元 彩葉 5 84 42 42
7 高田 菜桜 6 84 40 44
8 成田 瑛麻 5 86 43 43
9 鹿島 おね 5 90 43 47
10 平山 磨美 6 92 46 46
11 石谷 舞桜 5 93 48 45
12 中谷 愛純 5 95 44 51
13 瀬谷 愛佳 5 97 50 47
14 濱野 紗綺 5 98 53 45
15 高島のえる 6 115 54 61
16 隈元風羽南 5 116 58 58
同スコアの場合、18番ホールからのカウントバックにより順位を決定。
競技委員長  千葉 晃