彩香、号泣!リオ水の泡…18番池ポチャで


 ◆米女子プロゴルフツアーメジャー第3戦 全米女子オープン最終日(10日、カリフォルニア・サンマーティン=コルデバレーGC)

 渡辺彩香(22)=大東建託=が最終18番の悪夢でリオ五輪出場権を逃した。第3打を池に落としダブルボギーとするなど76と崩れ、通算4オーバー38位。大会後に五輪出場権の基準となる世界ランクが発表され、日本は22位の野村敏京と43位の大山志保が出場権を獲得した。渡辺は45位でわずかに及ばなかった。ブリタニー・ラング(30)=米国=がプレーオフを制してメジャー初優勝、米ツアー2勝目。

 手にしかけていた渡辺のリオ五輪切符が、4日間を締めくくる72ホール目でスルリとこぼれ落ちた。最終18番、ピンまで65ヤードの第3打。五輪への夢を乗せ「しっかり70ヤードぐらい打つつもりだった」一打は、グリーン手前の土手を転がり落ちて池に沈んだ。あと2メートル飛んでいればグリーンに乗っていた。膝に手をついて前かがみになり、その光景をぼう然と見つめた。「ここまで来たのに、リオに行けなくて残念」と声を詰まらせた。

 もし最後がパーだったら2オーバー26位となり、世界ランクで日本勢2番手の大山を逆転して五輪出場権を得られていた。18番で確実にパーを取るためには、第3打で池を避けてグリーン右側に落とせばよかった。しかし「パーだったら、ちょっとの差で(五輪に)行けないかもしれないという思いもあった」と強気にバーディーを狙い、池越えのピンを狙った。

 直前の第2打では2オンを狙い一度はウッドを手にしたが「乗せる自信がない」とアイアンに持ち替える心の揺らぎもあった。大山を上回るには今大会で30位前後に入る必要があることも知っていた。前日まで2日続けて71と安定していたが、最後で重圧に屈した。

 172センチの長身を生かした豪快なショットを武器に日本ツアー3勝を挙げている22歳は「東京五輪で金メダル」を目標に掲げている。4月第1週の世界ランクでは当時日本人2番手の宮里美香と17も離れていたが、地道にポイントを重ね“最終決戦”まで望みをつないだ。「きっとこれは4年後の五輪に生きると思う。この悔しさを忘れずにやっていきたい」。止まらない涙をぬぐいながら、小さく何度もうなずいた。

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