小平、史上最大の逆転V!初日13差91位から“90人抜き”「まさか優勝できるとは」


 ◆男子プロゴルフツアー ブリヂストンオープン最終日(23日、千葉・袖ヶ浦CC袖ヶ浦C=7119ヤード、パー71)

 5位から出た小平智(27)=Admiral=が歴史的な逆転劇を演じた。5バーディー、1ボギーの67で回り、通算14アンダーで今季初、通算4勝目を挙げた。首位と13打差の91位と出遅れた初日から猛チャージを続け“90人抜き”はツアー史上4番目の逆転V記録。13打差の逆転は、初日90位以下の選手としては最大差となった。李京勲(25)=韓国=が1打差2位。

 女性ギャラリーからの黄色い声援と喝采を浴びながら、小平が優勝カップを持ち上げた。初日に75をたたき13打差の91位と出遅れたが、後方からの大まくり優勝を成し遂げた。「まさか優勝できるとは思わなかった。本当にうれしい」。“90人抜き”でのVは伊澤利光、小林正則、黄重坤に次ぐ4番目の大逆転。初日に90位以下に出遅れた選手としては、小林の12打差逆転を1打更新した。

 大人のゴルフで新境地を切り開いた。昨年までは「気分(次第)でドライバーを握っていた。ドライバーの方が気持ちいいから」というが、今週はコース攻略を重要視。落としどころの狭さなどを考えてホールごとに3ウッド、5ウッド、3アイアンなどを使い分けた。

 決勝ラウンド(R)でドライバーを使ったのはともに7回ずつ。16番パー5は第1打を5ウッドで打ち、残り260ヤードの第2打を3ウッドで6メートルに2オンしバーディー。「コースマネジメントを重点的にやった」。初日はかみ合わなかったが、2日目にパットでスコアを伸ばすと、3日目にはショットが復調。3日連続の60台につなげた。

 13年8月、米ツアーで世界選手権シリーズのブリヂストン招待に出場したが65位に終わった。「米ツアー(の選手)とはロングアイアンの精度や小技が全然違う」。世界との差を埋めようと練習に没頭し、昨オフも小技を徹底的に磨いた。決勝Rの2日間では寄せワンで合計12個のパーを拾い、ボギーは1つだけ。「アプローチはうまくなった」と胸を張った。

 今年からはサッカー日本代表DF長友佑都(30)=インテル=らが行うゴムチューブを使用した体幹トレを敢行。休憩時間もチューブを離さず、地道に鍛えてきた。今大会の優勝で来夏のブリヂストン招待の出場権も手に入れた。「うれしいです。石川(遼)や松山(英樹)に少しずつ近づいていきたい」。世紀の大逆転でつかんだ3年前の雪辱のチャンス。将来的な米ツアー本格参戦を視野に入れる27歳が、確かな自信を携えて再び米ツアーに挑む。(高橋 宏磁)

 ◆男子ツアーの逆転V 最終日の逆転は1983年ゴールドウィンカップ日米ゴルフで中嶋常幸の9打差が最大。日本女子ツアーでは2002年廣済堂レディス最終日、藤野オリエの11打差が最大。

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