◆女子プロゴルフツアー ダイキンオーキッドレディス第2日(3日、沖縄・琉球GC、6617ヤード=パー72)
男子ツアー通算6勝の“怪物”川岸良兼(50)の次女で新人の史果(22)=加賀電子=が8バーディー、1ボギーでベストスコアの65で回り、通算5アンダーで13位から首位に浮上した。ドライバーの平均飛距離約270ヤードと父親譲りのパワーが持ち味の怪物2世。1988年のツアー制施行後では12年の斉藤愛璃以来2人目となる前年のプロテスト合格者の開幕戦Vを狙う。70の大城さつき(27)=フリー=も首位。
166センチ、75キロの恵まれた体格から放たれる父親譲りの力強いショットを武器に、新人の史果がリーダーズボードを駆け上がった。17番で8つ目のバーディーを奪い、自己ベストタイの65をマークし首位に並ぶと「18番だけ緊張した。バーディー取れば(単独)トップだな」と笑った。
2日間のドライビングディスタンスは全体7位の238・75ヤード。「父から受け継いだのは飛距離と胃袋」と言うように、90年代に6勝を挙げた良兼を思い起こさせる規格外のパワーゴルフ。「炭水化物とこってりなものも大好き」とパワーの源になっている。ゴルフを始めた小5ですでに約250ヤードをかっ飛ばした。「他人に任せよう」と父からは習わず、ゴルフの話をされることもめったにない。中3で全国大会で優勝し、プロゴルファーを志した。
プロテストには昨年7月、4度目の挑戦で合格。3度の失敗の間、ドライバーイップスにもなり、父から「簡単な世界じゃない。やめろ」と言われた。しかし今大会でバッグを担ぐプロゴルファーの母・麻子さん(50)から「あなたは誰かを養っているわけではなく、あなただけなんだから」と背中を押され、続ける決意をした。
昨年12月に右足首の遊離軟骨除去手術を受け、まだ痛みは残るが、「無理しないでやってるのがよかった。狙える位置なので優勝目指して頑張りたい」と88年のツアー制施行後では5年ぶり2人目となる前年プロテスト合格者の開幕戦Vを見据えた。
「よく川岸良兼の娘と言われるけど、川岸史果のお父さんがいると言われるようにしたい」と22歳。枕ことばが付くのはゴルフを始めた時から覚悟の上だが、いつか偉大な父を超える。(岩原 正幸)
◆川岸史果プロフィール
▼生まれとサイズ 1994年10月13日、東京都生まれ。22歳。166センチ、75キロ。家族は両親と姉。父・良兼は男子プロ、母・麻子さん(旧姓・喜多)は女子プロ、姉・紘子さんは日大ゴルフ部出身。血液型AB
▼ゴルフ歴 10歳から姉の影響でゴルフを始め、09年全国中学校ゴルフ夏季大会優勝。昨年7月に4度目のプロテストを7位で合格。11月の伊藤園レディス16位。12月の最終予選会26位で今季出場権を獲得。ドライバー平均飛距離270ヤード
▼石川遼と練習 10年に尾崎将司の合宿で石川と対面。「印象? 細かったです」
▼大食い 好物は「炭水化物とお肉」。父譲りの胃袋で回転ずしは20皿をペロリ
▼あだ名 ナショナルチームで一緒だった比嘉真美子に「ふーみん」と呼ばれる
▼趣味は漫画 週刊少年ジャンプを愛読。好きな漫画は「ワンピース」
▼きれい好き 外出前と帰宅時には必ず部屋を掃除。「気分がスッキリする」