ウッズと同い年の苦労人…ザック・ジョンソン、“新相棒”で10年ぶり頂点へ


グリーン手前に池が待ち受ける16番(ロイター)

 ◆米男子プロゴルフツアー第81回マスターズ(6日開幕、米ジョージア州オーガスタナショナルGC)

 米ツアー通算12勝で07年大会王者のザック・ジョンソン(41)=米国=は、PXGの契約選手として初のメジャー制覇に挑む。精度の高いショットと巧みなパットで堅実なスコアメークが特徴。タイガー・ウッズとは同い年で下部ツアーからはい上がった苦労人だ。15年の全英オープンも制している実力者が、新たな相棒を武器に頂点を狙う。

 16年から契約するPXGのエースは「間違いなく最高のクラブ。キャディーからコーチまでチーム全体が意思決定に関わった」と絶賛した。Z・ジョンソンの平均飛距離は286・7ヤード(ツアー139位)にとどまるが、フェアウェーキープ率は67・43%(同25位)を誇る。堅実なゴルフで勝利を重ねてきた。

 ウッズと同い年だが、経歴は天と地ほど違う。98年にプロ転向。投資家の資金援助を受け、下部ツアーを主戦場にしてきた。マスターズは友人が入手した入場券で01年大会をギャラリーとして初観戦。「次は選手として以外は絶対に来ないと誓った」。その時の優勝者がウッズだった。

 3度目の出場となった07年、パー5はすべて2オンを狙わずに3打目勝負に徹した。派手さはないが、グリーンをとらえる堅実さが輝いた。優勝スコアが大会史上ワーストの1オーバーとなる難しいコンディションを勝ち抜き「確かにウッズより苦労してきた。でも僕はプロとしてゴルフをプレーしてきた。グリーンジャケットを着る資格はあると思うよ」と胸を張った。

 15年の全英オープンでは、88年以来の月曜日決戦となった最終日に66で回り、歴史的な長期決戦を勝ち抜いた。3人のプレーオフを制すると、キャディーやキム夫人らと抱き合い「まさか自分が勝つなんて想像していなかった。夢が現実になった」と男泣きした。

 契約1年目の昨季は、6月の全米オープン8位など6戦でトップ10入り。今季は1月のソニーオープンで6位に入っている。直前のデル・マッチプレーでは決勝トーナメント1回戦でD・ジョンソンに敗れたが、メジャー2勝を誇る41歳は10年ぶりの頂点を見据えて居る。

 ◆ザック・ジョンソン 1976年2月24日、米アイオワ州アイオワシティ生まれ。41歳。10歳からゴルフを始め、ドレーク大卒業後の98年にプロ転向。03年に下部のネーションワイドツアーで賞金王となり米ツアー出場権獲得。04年ベルサウス・クラシックで初優勝し、メジャー2勝を含め通算12勝。178センチ、72キロ。家族は妻と2男1女。

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