勝みなみ、プロテスト初受験で一発合格…黄金世代リーダーが決意語る


プロテストに合格し笑顔で記念写真に納まる選手たち(カメラ・池内 雅彦)

 ◆女子ゴルフ 最終プロテスト最終日(28日、富山・小杉CC=6397ヤード、パー72)

 8位で出た勝みなみ(19)=フリー=が4バーディー、4ボギーの72で回り、通算5アンダーの9位。初受験で一発合格を決め、逸材がそろう黄金世代の中心として、今季限りで現役引退する宮里藍(32)=サントリー=を目指す決意を示した。5位で出た松田鈴英(れい・19)=フリー=が11アンダーでトップ合格。2アンダー19位までの22人が合格した。

 締め付けられるような重い空気から解放された。みなみは開口一番、心境を吐露。「ちょっと、もうマジ疲れたんですけどぉ。つらかったです~」。6打差の9位だが、晴れてプロ転向を決め、笑顔があふれた。

 トップ合格は逃したが、世代リーダーの重圧に打ち勝った。最注目選手として毎日取材に応じ、練習からテレビカメラに追われた。「これだけ見られたら硬くなる」と心配する母・久美さん(50)の予感が的中。不合格がちらついた第3日の途中には「パットが入らない」と休憩した駐車場の車内で泣いた。

 わずか1メートルの距離でも自信が持てない。恐怖のあまり、最終日は2メートルを残した11番で、何と目をつむって打った。祈りが通じてバーディー。「諦めたら終わり。泣く前にやることがある」。構えてすぐに打つ方法に変え、しっかり目を開いた12番は6メートル、17番は8メートルを沈めて伸ばした。状態に合わせて対応できるのも、経験のなせる技だ。

 14年4月に史上最年少15歳293日でツアーV。プロ転向できたが、アマの大会で腕を磨きながらツアーに出る方針にした。ツアーは史上最多69試合(2位は金田久美子の53試合)に出場。優勝争いや天真らんまんな言動で“アマ旋風”の先頭を走った。「あの時プロになるより、いろんな経験をした今の方が強くなっていると思う」。15歳で選んだ道に後悔はない。

 同じくアマでツアー優勝した憧れの宮里藍が5月に引退を発表。感極まって「次は私がやらないといけない…」と涙を拭った。「プロになってみんなが目指すのは、世界一になること。世界一、愛されるプレーヤーになりたい」。大きな夢を語って決意表明。「勝プロ」としてゴルフ界を盛り上げる。(浜田 洋平)

  ◆勝みなみに聞く

 ―どんなプロを目指す?

 「楽しみながらゴルフをしたい。自分が楽しいと、一緒に回る人も、ギャラリーも楽しめる」

 ―将来の目標は。

 「世界一を目指しているし、なりたいんじゃなくて、なるつもり。それに必要なことをやっている」

 ―世界一とは藍のような世界ランク1位?

 「勝って世界一になりたいし、世界ランクも大事だけど、世界一愛されるプレーヤーになりたい。藍さんにはなれないけど、近い存在を目指す」

 ―プロで稼いだら。

 「おいしいごはんを食べたい」

 ◆勝 みなみ(かつ・みなみ)1998年7月1日、鹿児島市生まれ。19歳。祖父の影響で8歳でゴルフを始める。14年の日本ジュニア、15年日本女子アマ、同年日本女子オープン11位でローアマを獲得、史上6人目のアマ3冠達成。157センチ、56キロ。家族は父・秀樹さん、母・久美さん。

  ◆プロテストと予選会の違い

 プロテストに合格すると日本女子プロゴルフ協会(LPGA)の会員になり、プロゴルファーとして活動が可能。予選会(QT)はツアー出場資格を得るための機会で、最終QTの40位前後に入れば翌年の出場資格を獲得できる。非会員でもLPGAに単年登録の申請と登録料を払い、認められれば出場可能。今季から、アマと単年登録選手がツアーで優勝した場合、単年登録、LPGA入会を選択できる。今回の合格者は今季主催者推薦で3試合まで出場可能。

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