◆男子プロゴルフツアーRIZAP・KBCオーガスタ 第1日(24日、福岡・芥屋GC、7151ヤード=パー72)
プロ4年目の大堀裕次郎(25)=フリー=がグリーン上がさえ渡り6バーディー、1ボギーの5アンダー、67をマーク。同じ事務所の先輩・サッカー日本代表FW本田圭佑(31)のメキシコリーグ、パチューカ移籍後デビュー戦ゴールに刺激を受け、1打差の2位と初優勝に向けて好スタートを切った。韓国の方斗煥(29)=ポポス スポレックス=が6アンダーで単独首位。
メキシコからの吉報と会長からの金言に、背中を押され続けた。猛暑の中、大堀のパットがさえ渡った。6番で3メートルのパーパットをねじ込むと7番で1・5メートル、8番で3メートルを沈めて連続バーディー。「今日はパットがすごく良かった。2~3メートルが良い感じで入ってくれて良い流れになりました」と会見場で涼しげな笑顔をこぼした。
スタート前の練習グリーン。日本ゴルフツアー機構の青木功会長(74)から「50センチくらいオーバーするつもりで強く打て」と芝目のきつい、高麗グリーン攻略への助言を授かった。「しっかり決め打ちしよう」と会長の金言だけを意識して回ると、効果は抜群で130選手中最少の計21パット。15ホールで1パットと、多くの選手が苦戦したグリーン上で神懸かった。
同じ年の松山英樹、石川遼とアマチュア時代からしのぎを削ってきた。昨年、賞金ランク41位で初の賞金シードを獲得。今季は7位が最高で賞金ランク47位。初優勝への期待は大きいが、ショットで苦悩中だ。「小さいゴルフになっているから、アマチュアで出てきた頃の大きなゴルフを意識しながらやれ」と開幕前日、練習場で視察していた青木会長からはっぱをかけられた。182センチ、80キロ。この日は「思い切り振ろう」と豪快なショットも復調し「良いスコアは自信になる」とうなずいた。
今大会前、ニュースで本田の移籍後初出場と初ゴールを知り、得点シーンの動画も見た。オフの合宿をともにし、自宅も訪れていろいろと相談。6月には食事も一緒にした仲だ。「新天地ですぐにゴールを決めて、すごく刺激になりましたね」と大堀。ツアー初優勝をつかみ取り、31日にW杯アジア最終予選の豪州戦との大一番を控える本田に勇気を届ける。(榎本 友一)