右手親指切断の43歳・崔が70で単独首位


 ◆男子プロゴルフツアー フジサンケイクラシック第3日(2日、山梨・富士桜CC)

 3位から出た韓国の崔虎星(チェ・ホソン、43)=フリー=が2バーディー、1ボギーの70で通算5アンダーに伸ばし単独首位に浮上。水産工場に勤務していた20歳の時、マグロ解体中に右手親指の第一関節付近までを切断する事故に遭い、ハンデを抱えながらプレーする男が4年ぶり2勝目に王手をかけた。松山英樹似で未勝利の出水田(いずみだ)大二郎(24)=TOSS=が1アンダーの6位。

 右手親指が左手親指より4センチほど短いハンデをものともせず、崔が単独トップに立った。地元・浦項の水産加工工場に勤めていた20歳の時、チェーンソーでマグロを解体中に誤って自らの右手親指も切断。「第1関節分くらい切れてしまい本当に痛かった。おなかの肉を移植し手術を受けたため、寒くなると(指から)血が出る。クラブを握る時も不便どころか痛い時もある」。現在も決して万全ではない。

 ゴルフ場に勤務したことから25歳で初めてクラブを握った。「邪道かもしれないけど自分流を築くことができた」とコーチはつけずに独学で習得し、すぐに母国で頭角を現した。13年に日本とアジアンツアーと共催のインドネシア選手権で初優勝。「逆境を乗り越えて必ず優勝したい」。不屈の魂を持つ2人の男児のパパは、ひげをたくわえた柔和な表情を引き締めた。(岩原 正幸)

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