藍、現役ラストは32位 オークリー引退後もサポート…“惜別CM”制作も


 ◆米女子プロゴルフツアー メジャー最終戦 エビアン選手権最終日(17日、フランス・エビアンリゾートGC)

 【エビアン(フランス)18日=高橋宏磁】引退試合に挑んだ宮里藍(32)=サントリー=は73と崩れ、通算1オーバー32位で現役最後の大会を終えた。ツアープロとしては引退したが、03年から契約するスポーツ用品ブランドの「オークリー」が、引退後も藍をサポートする方針であることが分かった。また、スポンサー契約を結ぶ久光製薬は“惜別CM”の制作を検討していることも判明した。

 引退しても“愛”は変わらない。関係者によると、03年からサングラスを提供するオークリーでは、今後も藍へのサポート態勢を継続する方針だ。ツアーに出場しないことで露出は激減する。同社のメリットは少ないようにも思えるが、関係性は変わらないという。

 同社製品は藍との契約後、爆発的な売り上げを記録した。「宮里藍さんと契約した直後もゴルフ界はサングラスに対して、かなり否定的だった。宮里さんがサングラスを使い続けたことで、市民権を得た。例えるなら黒が白に変わったぐらいの変化があった」と関係者。サングラスのイメージを一変させたことへ、感謝の思いを持ち続けているという。

 すでに所属先のサントリーは、引退後もサポートを続ける方針を明言している。複数の関係者によると、クラブの用具契約を結ぶブリヂストンスポーツに加え、スポンサーの日本航空や久光製薬なども支援継続の意向だという。久光製薬では引退を惜しむ“惜別テレビCM”の制作を検討中だ。「引退しても様々な企業が支援するのは、いかに(藍が)素晴らしい人間であったかということ」と関係者は話した。

 日米通算24勝を挙げ、プロ仲間や海外の関係者からも愛された。本人は「たまには悪口を言うことぐらいありますよ」と笑う。愛嬌(あいきょう)のある性格や人柄でも多くの人を魅了した。引退試合を終えた藍は現地時間の18日午前、スイス・ジュネーブ空港発の航空機で米国へ旅だった。今月中には父・優さん(71)の看病のため帰国する予定。

 ◆オークリー(OAKLEY) 米国カリフォルニア州に本社を構える世界的スポーツ用品ブランド。1980年代からサングラスを展開し、アイウェアでは600もの特許を取得する業界のリーダー。90年代にはアパレルなどにも進出した。国内でも多くの競技のトップアスリートが契約。プロ野球・日本ハムの大谷翔平、スピードスケートの小平奈緒やプロゴルファーでは、松山英樹や宮里美香らがいる。

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