◆男子プロゴルフツアー ブリヂストンオープン 第2日(21日、千葉・袖ケ浦CC袖ケ浦C=7119ヤード、パー71)
超大型で非常に強い台風21号の影響により、男女国内ツアーが歴史に残る珍事に見舞われる可能性が出てきた。1999年の日本ゴルフツアー機構(JGTO)発足以降、最終日の競技が男女そろって同日に中止されれば史上初。21日は雨の中で行われ、男子はツアー通算1勝の時松隆光(24)=筑紫ケ丘GC=が通算9アンダーで、女子では同12勝の上田桃子(31)=かんぽ生命=が通算11アンダーで、ともに単独首位に立った。中止なら逃げ切りVとなる。
短期決戦で、時松が通算2勝目に王手をかけた。全てのバンカーに水たまりができるほどの大雨の中、安全策を心掛けた。「ピンを狙える場所に(球が)あったらピンを狙う」。出だしの10番で約3メートルの好機につけると、その後もフェアウェーからピンを狙った。今季自己最少の64に「うまくハマった」と喜んだ。
開幕戦から3戦連続、夏場も7戦連続で予選落ちと不振が続いた。ミスを恐れて「スイングが小さくなった」のが原因だった。秋以降は「怖がらずに思い切り振ろう」と、振り切ることを心がけスイングが安定。9月からはボールをブリヂストンスポーツの「ツアーB X」に変更し、復調のきっかけをつかんだ。
最終日は台風の予報で、中止なら1999年の日本ゴルフツアー機構(JGTO)発足以降では史上2例目となる36ホール決戦(賞金は半分に減額)となる。ただツアー関係者は「21日の時点では競技を行う予定」と話し、最終日の組み合わせも発表された。まずは最終日のスタート前に、開催が可能な状況かどうかを判断するという。
時松の胸中は複雑だ。今季の目標の一つが最終戦のメジャー、日本シリーズJTカップ(報知新聞社主催、11月30日開幕、東京よみうりCC)への出場。優勝者や賞金ランク上位しか出られないエリート大会で、まだ出場権がないだけに「明日(競技が)あって勝てれば、今後の自信になる」。男らしく最終日の“強行開催”を望んだ一方で「ちょっとだけ、台風来て下さいと思います」と照れくさそうに笑った。(高橋 宏磁)
◆男女とも最終日が同日に中止になった例 99年のJGTO発足以降では1度もない。ただ13年10月20日、富士通レディース(千葉・東急セブンハンドレッドC西C)最終日は豪雨によるコース不良で中止に。同日開催の日本オープン(茨城GC東C)最終日は豪雨で中断されたが、予備日の21日に順延となった例がある。
◆最終日の天気予報 男子の袖ケ浦CCがある千葉市は降水確率90%。第1組スタートの午前8時は降水量7ミリ、風速5メートルの予報。女子のマスターズGCがある兵庫・三木市は降水確率100%。第1組スタートの午前7時30分は降水量8ミリ、風速6メートルの予報。