◆男子プロゴルフツアー三井住友VISA太平洋マスターズ第2日(10日、静岡・太平洋C御殿場C=7246ヤード、パー72)
秋晴れの下、2日間の予選ラウンドが終了した。81位から出た石川遼(26)=カシオ=は1バーディー、3ボギー、1ダブルボギーで2日続けて76で通算8オーバー。最下位から3番目の79位に沈み、国内自己ワーストを更新する5戦連続予選落ちとなった。2010、12年に制した出場9度目の大会では初の屈辱。体のターンで打つ新スイングは完成にほど遠く、ショットの不調から抜け出せない。
同じような光景が繰り返された。15番でドライバーショットを右に曲げた石川は打った瞬間に両手をクラブから離し、顔をしかめた。「試合に入り込めていない。打ち方がなじんでいない。考えなくてもできる状態にはほど遠い」。練習ではできたことが試合になると発揮できず「全く別人」というのも無理はない。
米ツアーの出場権を逃し、10月から国内ツアーに復帰。米では今季6戦連続予選落ちがあるが、国内では自己ワーストを更新する5戦連続だ。過去2勝の得意コースでも「試合は楽しいものだけど、楽しむだけの(修正する)時間がなかった」。かつて演じたV争いの景色も一変した。
フェアウェーキープ率28・57%(78位)、パーオン率38・89%(81位)。「右にプッシュアウトする」と分析するように、将来を見据えてのスイング改造は道半ばだ。アマ時代の07年ブリヂストンオープン以来、プロでは初の最下位を免れるのがやっとだった。
石川の組には約300人のギャラリーがつき、年配女性ファンから「遼クン、頑張って」と温かい声援が飛んだ。「これだけ多くの励ましの中でプレーしたことはない。ありがたみを感じるし、一日でも早くいいプレーで応えたい。何回も優勝できるショットを身につけて恩返ししたい」。練習場では最後の一人になるまで1時間45分、ショットの修正を行った。次週は同学年の松山英樹(25)が出場するダンロップフェニックス(16日開幕)。「きっかけをつかみたい。何とか間に合うように」と必死に前を向いた。(岩原 正幸)