◆男子プロゴルフツアーダンロップフェニックス第1日 (16日、宮崎・フェニックスCC=7027ヤード、パー71
約1年ぶりに国内ツアーに出場した世界ランク4位の松山英樹(25)=LEXUS=は1イーグル、3バーディー、1ボギーの67で回り、4アンダーで首位と2打差の4位発進した。世界レベルのビッグドライブで豪快なイーグルを奪い、順位とスコアは今大会初日の自己最高。1973年のツアー制施行後では日本人史上4人目となる出場3試合連続優勝を目指す。全米オープン覇者のブルックス・ケプカ(27)=米国=らが6アンダーで首位。
インから出た前半18番の第1打、松山が鈍い衝撃音を響かせた。瞬く間に飛んでいった球は約330ヤード先のフェアウェー中央へ。残り226ヤードを4アイアンで奥のカラーまで運ぶと、7メートルをパターでねじ込んだ。「たくさんのギャラリーが来てうれしかった」。17番まで伸ばせずにいた世界ランク4位のド派手なイーグルに、ファンは「“世界の松山”や~!」と叫び声を上げた。
午前8時前にコース入りした途端にファンが群がった。今季から練習場で観客の動画撮影が許可されたため、松山の周りは「ピコピコ」とスマホの音が鳴りやまない。ラウンド中は何重もの人の波ができ、松の木によじ登って観戦する人も。3810人のギャラリー数は、松山が出場した13年以降の大会最多で昨年から約2・3倍増だ。松山の両親と東北福祉大時代の恩師・阿部靖彦ゴルフ部監督(55)も駆けつけ、ショットのたびに驚き交じりの歓声に包まれた。
尾崎将と4年ぶりの同組競演も注目度を押し上げた。前回同組だった13年のダイヤモンドカップでは松山が優勝。ジャンボが1番で伸ばすと「ナイスです!」ともり立て、2、8番の第1打後は笑顔で一緒に歩いた。大先輩はウェッジを1本しか入れていないが、巧みにスピンをかけてアプローチ。「僕にはできないもの。最後(9番)のパットも、ここで入れたらカッコイイってとこで入れる」。グリーン周りの大声援にドヤ顔で手を振る70歳にしびれた。
勝てば尾崎らに並ぶ日本人最多の出場3試合連続優勝。大会前に虫さされで腫れた両腕は、内服薬や冷却治療などで回復した。会見場ではスコアボードに並ぶ首位・ケプカの名前に目をやった。「しっかり伸ばして盛り上げられるプレーができたら」。膨らんだ期待に応えるのが、日本のエースだ。(浜田 洋平)