驚異のエージシューター田中菊雄の世界67 武藤一彦のコラム─腰痛バンドを利用してみては?スイングが安定する。ラウンドがつかれない。疲れが出ない。何より球が飛ぶと名人はすすめる


 田中ゴルフはアイデアの世界。田中さんは腰も締める。腰痛バンドで腰回りをしっかりまいている。いわゆる市販のバンドだが、かなり幅のあるしっかりしたものをインナーウエア(下着)の上にしっかり巻いている。そのうえにゴルフウエアをかぶせているから、外から見てもわからない。「夏でも付けます。腰がしっかりする。腰痛防止のためにつけたが、ズボンのバンド感覚になりました。もう2年、いやもっと?」身についたものだから意識にない。

 

 そういわれてみていると、ラウンド中の“お茶や”ではトイレで巻き直している。ラウンド後の、トイレでもしっかり巻き直したりしている。
 「背筋が伸びる。前かがみ、背中が丸くなりがちなゴルフだから体幹が前にかかりやすい。その防止にいいし、構えた時に腰回りの充実感があるのがいい。スイングにいいとわかってからはしっかり締めなおしたりして気分転換にもなる」

 

 腰痛ベルトとは違うが、本来、ゴルフとベルトは密接な関係にある。太めのベルトは腰をしっかり締める重要な道具だ。夏場などプロたちのバックルに凝ったデザインのものが使われ、ファッション性が出ているが、太くしっかりは、かっこよさを求めたものではなく,腰を守る,強化する、さらには体幹を維持する、などの目的がある。

 

 そういえば、片山晋呉プロが、ベルトを普段とは違う方向から締めることを進めている。
 男性(女性もそうか)は普通バンドは、腰の正面から左回りに通しおへその前で締め付ける。
 それを正面から右回り、いつもとは逆に通して締めてみなさい。と進める。「ベルトをいつもと逆に締めるだけでスイングが変わる。感覚が変ることでバックスイングが深くなったり。インパクトで頭が残る感覚が、出たりする。やってごらん?」トーナメント中にはそんな話が出てきて面白い。
 事実、この方法は片山が教え子の女子プロたちに伝授し、効果抜群のお試し済みだ。片山ゴルフは、彼自身、自分のスイングの開発を目指す中、オフには左打に取り組んだりする。そのために左用の専用のクラブセットがある。それで72,73で回るというからさすがトッププロだ。逆は真である。やってみつてはあるようだ。

 

 腰回りを固めると安定したスイング。パワーの発信元の腰使いに腰痛ベルトの効用。エージシュートで実践する田中さんには、片山プロの実践とは無関係、腰痛バンドは経験から出た、かっこうのゴルフ用具なのだ。「これを使ってから球が飛ぶようになった。私の必需品です」とエージシュート量産。ご参考に。

 

 ◆田中 菊雄(たなか・きくお) 1935年3月3日、島根・松江市生まれ。82歳。神奈川・川崎市を拠点にリフォーム、食品など5社、社員400人を抱える「北山グループ」取締役会長。東京・よみうりGCなど4コース所属、ハンデ5。初エージシュートは06年8月、71歳のとき静岡・富士国際富士コースを70で回った。173センチ、65キロ。