◆女子プロゴルフツアー開幕戦 ダイキンオーキッドレディス第1日(1日、沖縄・琉球GC=6558ヤード、パー72)
昨季賞金ランク7位で、ツアー本格参戦2年目の川岸史果(23)=加賀電子=が6バーディー、1ボギーの5アンダー67で回り、昨年5月のメジャー、ワールドレディス・サロンパス杯以来となる自身2度目の首位発進。平昌五輪で銅メダルを獲得したカーリング女子日本代表LS北見に刺激を受け、ピンチにも動じず9番では“池ぽちゃパーセーブ”を披露した。昨年1打差2位と好相性の大会で通算2勝目を狙う。
沖縄の日差しに照らされながらも、氷上で戦うメダリストたちをイメージした。川岸がLS北見のスキップ・藤沢五月(26)ばりの集中力で見事にピンチを切り抜けた。前半9番パー4、第1打を左の池に豪快に打ち込み「ボギーを覚悟した」。しかし、残り114ヤードからの第3打を53度ウェッジで3メートルに寄せると、パーで切り抜け「ナイスパーで救われた」と息をついた。
オフは2度の米合宿から帰国後、平昌五輪をテレビ観戦。「ストーンを投げる繊細な感覚がパッティングに似ているなあ」。準決勝・韓国戦(23日)、3位決定戦・英国戦(24日)でのカーリング女子の激闘にくぎ付けになった。「藤沢選手の確率が高いショットが素晴らしい。真剣勝負の中、全力でメダルを取った。競技は違うけど、少なからずいい影響があった」。2年後の東京五輪出場を目指す23歳は刺激された。
カー娘が5エンド終了時に行う恒例の“もぐもぐタイム”も見ていたという川岸は「エネルギー補給は大事ですよね」。最大の危機を乗り越えた直後のハーフターン時、おにぎりとチーズケーキを食べ、栄養補給。終盤にスコアを3つ伸ばし、パーオン率全体1位の88・89%の安定したプレーで67をマークし首位に浮上した。
「賞金1億円、メジャー優勝、複数回優勝」と明確な目標を掲げる今季開幕前にはツアー6勝の父・良兼(51)から「若手とベテランに負けるな!」と激励のLINEが届いた。昨年大会は右足首の手術明け初戦で手探りの中、1打差2位。「それ(違和感)がない分、新たな気持ちで。勢いのある高卒新人も入ってきて、潰されないように意識した」。昨季はトップ10入り13度、ツアー初優勝も成し遂げたホープは2勝目に向け「毎日アンダーで回れば上位争いは間違いない」。カー娘に学んだメンタルの強さで開幕Vをつかむ。(岩原 正幸)