第51回ゴルフ日本シリーズJTカップ観戦記 小滝 水音


第51回ゴルフ日本シリーズJTカップ観戦記
明秀学園日立高等学校
1学年女子ゴルフ部 小滝 水音

小滝水音さん

小滝水音さん

はじめに
 このたび、私は「第51回ゴルフ日本シリーズJTカップ」の大会3日目(12月6日(土))と最終日(7日(日))を観戦させていただきました。会場の東京よみうりカントリークラブは、毎年夏休みに報知新聞社主催の報知ジュニア中学生・高校生大会が開催されるコースで、私も中学1年生から参加させて頂いています。中学1年生の時は当時の自己ベスト2アンダーで、中学3年生の大会では4アンダーで優勝することができ、大好きなコースです。私は井上誠一氏による設計のコースが大好きで、ここ東京よみうりCCも難易度が高く、全てのホールが印象深いです。特に1番ホールのグリーンからティーグラウンドを振り返ると富士山が見えて見事にコースの美しさを際立たせていました。コースマネジメントを考えてラウンドするのがとても楽しく、何度ラウンドしても飽きることがありません。このコースを日本のトッププロがどのようにプレーするのかとても楽しみでワクワクしながら会場入りしました。

・大会3日目(12月6日(土))
 最初に練習場でプロの練習を見学しました。私は宮本勝昌プロのファンなのですが、練習場で見学した片山晋呉プロが凄いオーラで、この日は上下黒系の服に薄いサングラス、葉巻をくわえた姿がワイルドでとてもカッコ良い姿に魅了されて片山プロの組を観戦することにしました。試合を観戦していると気づいたことがいくつかありました。特にショットの正確さと、パーセーブの上手さです。ドライバーは強いドローの弾道で290ヤード以上、しかも狭いフェアウェイを正確に捉えます。ジュニアの大会ではほぼ見ることのできないものでした。私も最近は調子が良くなってきてショットもパットも好調なのですが、やはりプロはレベルが違いました。ドライバー飛距離は真似できませんが、どの状況からでもパーを取る技術は私も習得したいなと思いました。15番パー3まで片山プロの組を観戦したところで、12番ホールをプレー中の小田プロと石川プロの組に移動しました。凄いギャラリーの数でしたので少し遠くからの観戦です。石川プロはこの日スコアを落とされていたようで、ホールアウト後の練習場で黙々と練習をされていました。暗くなる前まで宮本プロと石川プロが入念にショットの練習をしていました。後から振り返ると、優勝する人やマスターズで勝利を目指す人はこのようにプレー後も沢山練習をしているから結果が出せるのだと思いました。私は今まで試合のラウンド後はあまり練習していませんでしたので見習いたいと思います。

・大会4日目(12月7日(日))
 最初は片山プロの組を3番ホールまで観戦しました。今日はテンガロンハットでばっちりきめて昨日より気合が入っているようでした。1番のティーショットは少し右で、セカンドは木の枝が邪魔で直接は狙えない難しいライでした。大勢のギャラリーが見守る中、片山プロは低い弾道で大きくスライスをかけ、花道から転がってバーディチャンスにつけました。このバーディパットをきっちり沈めてギャラリーは大歓声です。2番のパー3もベタピンのナイスショットで連続バーディ、やはりスーパースターは違うと思いました。3番ホールもバーディチャンスで3連続を期待しましたが惜しくも入りませんでした。ちょうど片山プロが3番を終えたころ、最終組が1番ホールをスタートするところだったので最終組を観戦しました。連覇のかかる宮里プロ、1番のティーショットは右に行ってしまい3番ホールとの間の斜面からトラブルショット。グリーン手前のバンカーにつかまり、ボギーとしてしまいました。次の2番パー3も左に外し、アプローチもミスして連続ボギーとなってしまいました。片山プロと対照的なスタートで、ゴルフはひとつのプレーで展開が全く違ってしまうのだと思いました。最終組の武藤プロとイ・サンヘプロも沢山バーディチャンスにつけるのですが決めきれず、最終組は我慢の展開でした。12番のグリーンまできたところで、隣の14番で長いバーディパットを決めた宮本プロの組とすれ違い、宮本プロがリーダーであることを知りました。この宮本プロの組を15番パー3から観戦し、18番ホールにたどりつくと驚きの光景がまっていました。18番パー3のグリーン回りは人で埋め尽くされ、まるでスタジアムのようでした。選手のプレー毎に地響きのような歓声が起こります。宮本プロは見事18番をパーとし、後続のマークセンプロのセカンドが入らなかった時点で優勝を決め、スタジアムは大歓声に包まれました。ゴルフ選手にとって、このような舞台に立てること、ましてここで優勝を勝ち取ることは最大の喜びだと思います。私もゴルフ選手として、このような舞台でプレーしてみたいと心から思いました。

・大会の舞台裏について
 今回、大会の舞台裏も見学させていただきました。主催者の報知新聞社様の大会本部に入室させていただくとパソコンが数台並び、多くのスタッフの皆様が無線機で連絡を取り合い忙しそうに動いていました。最終日の朝は霜が発生。続々と多くのお客様が来場してくる中、スタートまでに霜を除去できるかでとても忙しそうでした。その後1組目のスタートはコースコンディション不良のため8時50分になるとアナウンスされ、さらに9時00分のスタートに変更されました。普段、私自身が試合に出場していては考えることのないような現場がここにはありました。選手がスタートするまでにこんなに動いてくれているスタッフの皆様がいるということが分かりました。コース管理の人は霜をほうきではいていたり、ボランティアの方々はギャラリーの整理や練習場の手伝いなど様々な所で大会を支えていました。陰で支えて下さっている人達のありがたみを肌で感じました。熱心なギャラリーの方にも驚かされました。最終日の朝の8時には練習場と1番ティーグラウンドのスタンドがほぼ満員、18番グリーン付近にレジャーシートを敷いて試合を今か今かと待ち構えるギャラリーの皆さん、8時半過ぎには1番ホールのグリーンまで両サイド人で埋め尽くされている、という状態でした・・・。本当にこの試合を楽しみにしているんだなと思いました。自分がもしこのギャラリーの中でプレーしていたらどんなに楽しいことでしょう。もちろん緊張はすると思いますが、ナイスショットをした時のあの歓声が自分に向けられていたらと想像しただけでワクワクします。私も早くこのような舞台で戦いたいと思いました。

・私の目標と夢
 私の近い目標ですが、来年北海道の札幌GC輪厚Cで開催される日本女子アマ、埼玉県の霞ヶ関CC西コースで開催される日本ジュニア、そして再来年栃木県の烏山城CCで開催される日本女子オープン、いずれも井上誠一氏設計のコースなので大好きな設計者のコースで良い成績を残せるように頑張りたいです。もちろん、来年と再来年の報知ジュニア大会も優勝するつもりで頑張ります。
 私の将来の夢は賞金女王です。今回、表彰式終了後に小田孔明プロが賞金王のプラカードを高々と掲げていました。私があの場所に立つにはまだ長い道のりがあります。早く辿りつけるように今まで以上に沢山練習して、経験を積んでいきたいです。

 最後となりますが、今回このような素晴らしい大会を観戦する機会を提供して下さった報知新聞社様、本当にありがとうございました。

◆小滝 水音(こたき・みお)
1998年7月7日、茨城・ひたちなか市生まれ。16歳。父の影響で7歳からゴルフを始め、中学1年時に報知ジュニアでゴルフ人生初の優勝。中学3年時に再び報知ジュニア優勝。ベストスコアは66。167センチ。家族は両親と弟。目標とするプロは、不動裕理プロ、中島常幸プロ。

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