上田桃子“引きこもり”から復活6バーディー首位


5番ティーショットを放ち打球の行方を見つめる上田桃子。通算8アンダーで首位に立った

5番ティーショットを放ち打球の行方を見つめる上田桃子。通算8アンダーで首位に立った

 ◆女子プロゴルフツアー フジサンケイレディス 第2日(21日、静岡・川奈ホテルGC富士C=6376ヤード、パー71)

 2打差5位から出た上田桃子(31)=かんぽ生命=が6バーディー、2ボギーの67で回り、首位に浮上した。先週のKKT杯バンテリンレディス(熊本空港CC)で予選落ち。思い入れが強い地元大会のためショックは大きく、3日間“引きこもり”となったが、海外メジャー再挑戦の強い思いを胸に復活のきっかけをつかんだ。成田美寿々(25)=オンワードホールディングス=も首位。1打差3位に松森杏佳(22)=スターツ=が続く。

 川奈埼灯台に向かう美しい12番パー5で上田が鮮やかなプレーを見せた。5ウッドで2オン成功。5メートルのイーグルパットは外れたが「お先に」バーディー。強い海風が吹く中、67を叩き出し、5位から首位に浮上した。「いい集中力が保てている」と冷静に話した。

 1週間前は失意のどん底にいた。地元の熊本で行われたKKT杯バンテリンレディスで予選落ち。16年の大会週に熊本地震が発生。故郷への思いを背負って戦った昨年大会は最終日最終ホールで2打差を追いつかれ、プレーオフで敗れた。そして今年。リベンジを期して臨んだが、惨敗。ショックは大きかった。「家から外に出なかった。誰にも会いたくなかった。練習もしたくなかった」。15日から3日間、実家に引きこもったと明かす。今大会出場のため、18日にようやく重い腰を上げ、静岡に入った。

 「先週までのことは割り切ってやろう、としたことが良かった」と吹っ切れた表情で話す。単独2位以内ならツアー史上12人目の生涯獲得賞金7億円を突破するが、08~13年まで米女子ツアーに本格参戦した実力者の目標は上にある。「もう一回、海外メジャーで戦える力をつけたい」。熊本で味わった悔しさを糧に再び世界へ―今週はその第一歩となる。(竹内 達朗)

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