石川遼、後半「気づき」開眼…68で4差4位発進


13番で豪快にティーショットを放つ石川遼。初日4アンダー4位の好発進を見せた(カメラ・今西 淳)

13番で豪快にティーショットを放つ石川遼。初日4アンダー4位の好発進を見せた(カメラ・今西 淳)

 ◆男子プロゴルフツアーメジャー第1戦 報知新聞社後援 日本プロ選手権第1日(10日、千葉・房総CC房総ゴルフ場=7324ヤード、パー72)

 2年ぶり大会出場の石川遼(26)=カシオ=は6バーディー、2ボギーの4アンダー68で、首位と4打差の4位発進した。ショットが荒れた前半と、立て直した後半で“別人”のゴルフを展開。過去6度中5度予選落ちと相性最悪の大会でスコア、順位ともに初日最高、首位との差「4」も初日最少タイ。史上4人目の選手会長メジャーVに向け、好スタートを切った。

 直前にひょうが降り、10分遅れで開始したラウンドは異様な空気に包まれた。10番から出た石川のゴルフも天気同様、荒れ模様で始まった。前半で3度、観客に打球への注意を促す「フォアー」の叫び声が響いた。フェアウェー(FW)を捉えたのはパー3を除く7ホール中2度。16、17番は第1打を大きく右に曲げてボギー。開幕前日に語った「曲げた選手には0・5打の罰がくる」との悪い予感が的中した。

 18番で2メートルを決め、パープレーで折り返すと、石川の中で「気づきがあった」という。「(ティーショットで)ボールに当てにいって合わせてしまう悪い癖が出ていた」。修正した後半、1番でFW中央に運ぶと、第2打を50センチにつけ、勢いに乗り4バーディーを奪った。プレーに呼応するかのように天気も回復し、最後は夕日に照らされて満足げにホールアウトした。

 「(最後の方は)思った通りに打てた。自信になる。今は(4月上旬の)地区オープン連勝時の不安がない感じ」と手応えを口にした。千葉、岐阜でともに2日間のツアー外競技を制し、国内開幕戦・東建ホームメイトカップで1打差2位とV争いをした1か月前の好調時とダブらせた。

 過去6度中5度予選落ちした“鬼門”の大会だ。一度ラフに入れるとリカバリーが難しいメジャーのセッティングにこれまで苦しんだが、「(印象も)変わりそう」と笑った。68&4位は初日最高で、首位と4差も同最少タイ。「コースが合う合わないではなく、自分のスタイルでどう攻めるか」。3番はパーに終わったが、第2打で珍しい直ドラ(FWからのドライバーショット)も飛び出した。

 第2日に向けて「再スタート、と言い聞かせて、新たな気持ちでやるだけ」と表情を引き締めた。92年日本プロの倉本昌弘、14年日本オープンの池田勇太、17年日本プロ&日本シリーズJTカップの宮里優作に続く4人目の選手会長メジャーVへ、石川の視界には一点の曇りもない。(岩原 正幸)

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