中嶋常幸「この辺が限界かな」予選落ちでレギュラーツアーのメジャー卒業


18番でティーショットを放つ中嶋常幸

18番でティーショットを放つ中嶋常幸

 ◆男子プロゴルフツアーメジャー第2戦日本ツアー選手権 森ビル杯第2日(1日、茨城・宍戸ヒルズCC=7384ヤード、パー71)

 ツアー通算48勝の永久シード保持者・中嶋常幸(63)=静ヒルズCC=は2バーディー、6ボギー、1ダブルボギーの77で通算11オーバーの118位で予選落ち。ラウンド後、報道陣の前で、今大会限りでのレギュラーツアーのメジャー舞台からの「卒業」を明言した。

 最終18番。日本ゴルフ界のレジェンドが最後のパットを沈めると、温かく盛大な拍手が降り注いだ。中嶋は四方を振り返りながら帽子を取り、右手を挙げて「ありがとう」と笑顔であいさつした。首位と20打差の118位。前人未踏の日本タイトル8冠のかかった今大会への出場は「今回が最後」と切り出した。

 「やっぱりこの辺が限界かな、という感じですね。(歓声は)もう本当にありがたかったですね。同世代も多かったし、良いプレーを見せたかったね。幸運にも7つの日本タイトルを取れたし、このタイトルも取れたらと思って頑張ってきたが、体がついてこなくなった。自分の期待するゴルフができなくなった」。

 スタート前の1番ティーには家族も駆けつけ、この日一番の拍手と歓声が送られた。日本ゴルフツアー機構の青木功会長(75)はもちろん「誰にも(レギュラーツアーのメジャー卒業について)相談はしてこなかった。家内くらいだね。『よくやってきたんだからいいんじゃない。もう十分やったと思うわよ』と言ってくれました」と明かした。

 「今日ぐらいは60台で回りたかった」と5番で5メートルのバーディーパットを決めると、拳を突き上げてガッツポーズした。序盤から多くのチャンスを作り続けたが、計30パットと決めきれなかった。「もう本当に、こういうゴルフしかできない自分が悔しいよね」と苦笑いした。「こういう真剣勝負の(レギュラーツアーの)メジャーは、もう若者に譲るべきだと。去年くらいから感じていた。永久シードにはやっぱりそれだけの重さがある。メジャーに関しては卒業します」と話した。

 報道陣から、同じく永久シードを持つツアー史上最多94勝の尾崎将司(71)=セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ=がメジャーに出続けていることに関して質問を受けた。「それは一人、一人の価値観の問題だから。僕はジャンボを応援したい。自分で勝ち取ってきた権利だからね。他人がどうこう言うのは違うと思います」と、何度も日本タイトルを争ってきた盟友の今後の活躍を期待していた。

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