１８番をバーディーで終え、ギャラリーの歓声に応える比嘉真美子（カメラ・生澤 英里香）
◆女子プロゴルフツアー ニッポンハムレディス第２日（７日、北海道・アンビックス函館Ｃ上磯ＧＣ＝６３７８ヤード、パー７２）
首位と６打差の３０位からスタートした比嘉真美子（２４）＝ＴＯＹＯ ＴＩＲＥＳ＝が悪天候の中、１イーグル、４バーディー、ボギーなしの６６で回り、通算６アンダーとして首位と２打差の４位に急浮上した。今大会前に大相撲の東前頭２枚目の勢（３１）＝伊勢ノ海＝と結婚することを発表。まさに勢いに乗って、今季２勝目と通算５勝目を目指す。韓国のアン・ソンジュ（３０）＝モスバーガー＝、台湾のテレサ・ルー（３０）＝太陽生命＝が通算８アンダーで首位に並ぶ。
荒れた“函館場所”で比嘉が存在感を発揮した。気温１３・７度の寒さ、バンカーに水がたまるほどの大雨、木々が揺れる強風。平均スコアが７３・６１となる中、沖縄出身の２４歳は、この日最高の６６をマークした。
９番パー５で残り２０８ヤードの第２打を７ウッドでぶちかまし、ピン手前３メートルに２オン成功。圧巻のイーグルを奪うなど完璧なゴルフで３０位から首位と２打差の４位へ。「これくらいの風は沖縄では日常茶飯事」と冷静に話した。
今大会前に勢と結婚することを発表。「婚約は１年ほどたっているので気持ちは大きな変化はない」とあくまで冷静だ。同じトップアスリート。刺激になることは多い。「ゴルフは長時間プレーするスポーツ。逆に相撲は数秒で終わってしまうような世界。一瞬にかける集中力などがすごく勉強になっています」と話す。
１９歳だった１３年に２勝を挙げたが、１５年はどん底まで落ちた。プロとしては恥ずかしい８０台を連発し、１７試合連続で予選落ち。大スランプに陥ったプロの多くは、そのまま表舞台から消えるが、比嘉は昨年８月のＮＥＣ軽井沢で復活優勝。その裏には勢の存在があった。
将来的には相撲部屋の女将（おかみ）になる覚悟を持っている。ただ、その前に野望がある。「絶対にキャリアの中で賞金女王は取りたいと思っています」。現在、賞金ランク３位。大関クラスの比嘉は日本女子ゴルフ界の“横綱”への意欲を隠さない。
大相撲名古屋場所は８日に初日を迎える。勢は新大関の栃ノ心（３０）と対戦。「私も関取も、もっと高いところを目指して頑張りたい」と話す。首位はツアー２５勝のアン・ソンジュと同１６勝のテレサ・ルー。横綱クラスの強敵だが“千秋楽”に向けて燃えている。「１８回、攻めていけば優勝のチャンスはある」。通算５勝目への決まり手は、うっちゃり（逆転）だ。（竹内 達朗）