ささきしょうこ、自律神経失調症乗り越え2年ぶり2度目V


ウイニングパットを決め声援に応えるささきしょうこ

ウイニングパットを決め声援に応えるささきしょうこ

 ◆女子プロゴルフツアー スタンレーレディス最終日(7日、静岡・東名CC=6571ヤード、パー72)

 1打差3位から出た、ささきしょうこ(22)=日本触媒=が涙の復活優勝を果たした。5バーディー、1ボギーの68で通算10アンダーとし、2年ぶりの通算2勝目。昨夏から体調を崩し、オフには自律神経失調症と診断された。コースでも目まいなどに悩まされたが、病気を乗り越えた。

来季シード獲得 1勝目を山梨で、今度は静岡でつかんだ2勝目は格別だった。富士山を望むコースの18番で50センチのパーパットを決め、ささきが涙を流した。大会前は賞金ランク48位。16番で新垣に並ばれたが、17番で3メートルのバーディーパットを沈め勝負あり。「(50位以内のシードが)崖っ縁だと思って頑張った。優勝争いでメンタルが強くなった」。来季までのシード権をつかんで胸を張った。

 2016年7月の初優勝以降、2勝目を欲する心と、それについてこないゴルフのギャップに悩んだ。昨年8月から体調不良で3度棄権。「自分が自分でないような感覚。何が楽しいんだろうって」。目まいや吐き気に加え、睡眠も十分にとれず、「頭がくらくらして目の前のボールが消える」と、周囲にこぼした。オフには脳の精密検査も受けた。「家内が相当数の病院に電話をしたが、プロ選手はなかなか診てもらえず、ようやく目まいの専門家にたどり着いた」と、父・修治さん(58)。自律神経失調症と判明した。

 今季は目標を優勝ではなく、3年連続のシード獲得に設定した。薬を飲みながらの連戦も、副作用の影響からボーっとして集中力を欠く戦いが続いた。3週前に服用をやめると、2日目にいきなり64の自己ベストをマーク、10位に入った。「もう棄権はしない。自分の状態を知り、いろんな状況でプレーすることが一番の薬。完璧に受け入れられるわけじゃないけど、優勝して楽になる部分はある」と、喜びをかみ締めた。(岩原 正幸)

 ◆ささき しょうこ(佐々木笙子)1996年6月8日、兵庫・加古川市生まれ。22歳。9歳でゴルフを始め、2011年に日本ジュニア12~14歳の部優勝。クラーク記念国際高卒。15年にプロテスト合格。本名の「笙子」が周囲に読めないと言われ、プロ登録時に全て平仮名表記にした。16年の大東建託・いい部屋ネットレディスで初優勝。170センチ、65キロ。

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