◆女子プロゴルフツアー 樋口久子三菱電機レディス第1日(26日、埼玉・武蔵丘GC)
アマチュアの鬼塚貴理(17)=熊本国府高3年=がツアー出場9戦目で初の60台となる69をマーク、自己最高の4位で初の予選通過に前進した。姉・雅(みやび、20)はスノーボード・スロープスタイルで15年世界選手権金メダルで、2月の平昌五輪に出場した。22年北京五輪で金メダルを狙う姉とともにゴルフで24年パリ五輪出場を目指す。
異業種で活躍する姉の背中を追う鬼塚は、2打差4位に愛くるしい笑顔を見せた。後半4番でチップインバーディー、5番も15メートルのロングパットを沈めた。6バーディー、3ボギーでツアー自己最少の69。「内容は90点。朝は緊張したが、だんだん落ち着いた」
3歳でゴルフより先に両親、姉とスノーボードを始めた。小学校では全国大会3位にもなったが、スノボで世界を目指した姉とは違い、8歳で「テレビゲームに影響を受けて」クラブを握った。現在も年1回程度は滑るが「(スノボは転倒があり)怖いというのがあった。ゴルフは安全ですから」と笑った。
姉をアスリートとして尊敬する。「普段はふざけているけど、試合になると顔つきが変わる」。夢は姉妹での五輪出場だ。姉は2月の平昌大会に出場し、ビッグエアで8位。現地で応援し「私は24年のパリ大会を目指す」と決意した。雪上を舞う姉のように、2000年生まれのミレニアム世代がターフで輝く。(岩原 正幸)
◆鬼塚 貴理(おにつか・きり)2000年12月30日、熊本市生まれ。中2の14年、国内メジャー・日本女子オープンでツアー初出場。今年の九州ジュニアで優勝。ドライバー平均飛距離は230ヤード。今大会は予選会を突破して出場。来年プロテストを受験予定。家族は両親、姉。155センチ。