7位から出た小祝さくら(20)=ニトリ=が7バーディー、1ボギーの66で回り、通算10アンダーで3打差2位に浮上した。同組の世界ランク10位・高真栄(韓国)のテンポのいいスイングを参考に、ビッグスコアを記録した。今季4回目となる最終日最終組で、米ツアー賞金ランク2位で13アンダー首位のミンジ・リー(オーストラリア)を追い、初優勝を狙う。
小祝が持ち前の吸収力を発揮した。日頃から海外選手の動画を見るなど研究熱心だが、この日は同組選手のスイングをじかに見て、テンポの良さを取り入れた。スタート前、辻村明志コーチ(43)に「高はショットメーカー。しっかり見て同じ流れでやるといい」と助言された。「今まで見たスイングで一番きれい。理想的」という“教材”を生かし、フェアウェーキープ率100%をマーク、2位に浮上した。
本格参戦1年目で、疲労から夏場以降は筋力が落ち、10月はショットに首をかしげる場面が目立った。「早くシーズンが終わってほしい」とこぼすこともあったが、前週を含め今季2位が4度。初優勝へ「あと一歩」の克服のため、先月29日には10キロ走とトレーニングで体力維持に努め、再び復調してきた。
今週は唯一の日米共催試合で「勉強するつもりで」と謙虚な姿勢で臨む。だが、大会前には歴代覇者に、同じ辻村コーチに師事する姉弟子・上田桃子(07、11年)の名前を見て「外国人ばかりの中、すごい」。ラウンド後はスコアボードを眺めて「6個か7個は伸ばしたい」と柔和な表情を一変させた。(岩原 正幸)