千葉OP連覇の石川遼「来年の今頃はマスターズ」


千葉オープンを連覇した石川遼

千葉オープンを連覇した石川遼

 ◆男子ゴルフツアー外競技・日神カップ千葉オープン最終日(11日、千葉・平川CC=7206ヤード、パー72)

  2日間競技の最終日が行われ、首位からスタートした昨年覇者の石川遼(27)=カシオ=は、3バーディー、4ボギーの73でスコアをひとつ落とし、通算7アンダーで並んだ木下裕太(32)=フリー=とプレーオフに持ち込まれたが、3ホール目で競り勝ち、連覇を飾った。来週のレギュラーツアー国内開幕戦の東建ホームメイトカップ(18~21日、三重・東建多度CC名古屋)を前に存在感を見せつけた石川は「来年の今頃はマスターズで戦っていたい」と熱く語った。通算イーブンパーで14位の深堀圭一郎(50)=フォーラムエンジニアリング=がシニアの部を制した。痛めている左手親指の負担を軽減するためベースボールグリップに変えた丸山茂樹(49)=セガサミーホールディングス=は76と苦戦し、通算5オーバーの44位。

 「ゴルフの祭典」と呼ばれるマスターズ(米ジョージア州オーガスタナショナルGC)は11日に開幕。同時期に行われる日本の地方オープンで石川は全力で戦い、勝利した。

 前日、冷たい雨が降りしきる中、4連続を含む9バーディー、1ボギーの64というビッグスコアをたたきだしたが、一転、晴天のこの日は苦闘。73とスコアを落とし、67で回った木下裕に追いつかれた。18番パー4で行われたプレーオフの2ホール目では1メートル強のパーパットが残るピンチもあったが、辛うじて、しのぐと、最終盤に底力を見せた。

 互いにパーを重ねて迎えた3ホール目。石川はドライバーショットを約300ヤードかっ飛ばすと、残り132ヤードの第2打をピン奥4メートルへ。バーディーパットをねじ込み、勝負あり。力強いガッツポーズを繰り出した石川に大歓声が飛んだ。「大きな収穫です」と大会連覇に笑みを見せた。

 10年前の2009年シーズンに18歳で日本ツアー賞金王に輝いた。2013年から世界最高峰の米ツアーに本格参戦。マスターズには過去5回出場し、2011年には20位になった実績もある。17年を最後に米ツアーから撤退し、昨年、5年ぶりに日本ツアーに復帰したが、世界を見据えた挑戦を決して諦めているわけではない。

 今後、中1日で岐阜オープン(13、14日)に強行出場し、来週、ツアー国内開幕戦を迎える。昨年、千葉と岐阜の地方オープンを連勝し、勢いに乗ってシーズンに突入したが、未勝利。今季にかける思いは熱く、強い。

 「今シーズンの目標は日本一。たとえ、日本ツアーで賞金ランク1位になっても『別の選手の方がうまい』と言われたらダメだと思っています。世界に行くためには日本一にならなければならない」

 石川は、10年ぶりの日本ツアー賞金王ではなく、もっと高い目標を持っていることを堂々と明かした。その先にあるのは、やはり、マスターズだ。

 「来年の今頃はマスターズで戦っていることが目標です。(日本時間の)今晩から始まるんですよね? テレビで見たいですね。マスターズは見るのも楽しい。だけど、プレーする方がもっと楽しい」

 石川遼は、爽やかな笑顔で言い切った。

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