19歳・吉本ここね、単独首位スタートに「えっ? えっ?という感じ」


9番、ホールアウト後に笑顔を見せる吉本ここね。6アンダーで単独首位となった(カメラ・頓所 美代子)

9番、ホールアウト後に笑顔を見せる吉本ここね。6アンダーで単独首位となった(カメラ・頓所 美代子)

 ◆女子プロゴルフツアー ヨネックスレディス 第1日(7日、新潟・ヨネックスCC、賞金総額7000万円、優勝1260万円、観衆2973)

 昨年のプロテストに一発合格したルーキーの吉本ここね(19)=不二サッシ=は持ち味のアプローチとパットがさえ6バーディー、ボギーなしで自己最少の66をマーク。6アンダーで自身初の単独首位発進した。名前が似て今大会に出場していない吉本ひかる(20)=マイナビ=と間違われないよう初優勝を目指す。1学年上の黄金世代で今季1勝の渋野日向子(ひなこ、20)=RSK山陽放送=ら2人が67で2位につけた。

 10番から出た吉本は、正確なアプローチとパットが光った。16番でカラーから7メートルを沈め初のバーディー。17番ではグリーン手前の花道から11ヤードの第3打を56度ウェッジを握り、チップインバーディーを奪った。後半は1番でも2つ目のチップイン。最終9番で初めてスコアボードを見ると、一番上に自身の名前があり「えっ? えっ?という感じだった」と思わず二度見した。

 アマチュア時代を含め、最高成績は39位。ツアーでほとんど実績はなかったが、先月の中京テレビ・ブリヂストンレディス第2日にマークした自己ベストを3打更新する66。初の単独首位発進に「ノーボギーだったし、きょうは大きなミスはなく、丁寧にプレーできたので良かった」と、はにかんだような笑顔を浮かべた。

 昨年の最終予選会43位の資格でツアー前半戦の出場権を持つ。ただ、今季はここまで出場8試合で予選通過は3度だけ。今月末にはシード選手以外の出場優先順位が見直される「リランキング」が行われるが、2日付の暫定順位は55位で、後半戦出場の目安となる30位には及ばない。今大会を含め残り4試合は後半出場権を懸けた戦い。「最後は神頼み」と、3日には母・満帆さん(47)とコースから車で30分にある新潟県内のパワースポット・弥彦神社を参拝。満帆さんは「見ていてハラハラドキドキでした。でも、本当に行って良かったです」と御利益を実感した。

 レギュラーツアー参戦選手には、同姓で名前が平仮名の吉本ひかるがいる。会社員の父・学さん(49)の勤務先では、ひかるが上位にいると同僚が「娘さん、今週もいいね~」と勘違い。自身でさえ、スコアボードを見て間違えることがあるという。

 1998年度生まれの黄金世代と2000年度生まれのミレニアム世代の間の世代。「あした(8日)も丁寧に落ち着いてプレーして、目の前の一打に集中したい」。まだ“名前のない”99年度生まれのツアー初優勝者となって世代を盛り上げる。(宮下 京香)

 ◆谷間の世代

 98年度生まれの黄金世代と00年度生まれのミレニアム世代に挟まれた99年度生まれ。吉本のほか今季トップ10入り3度の稲見萌寧(もね)、中京テレビ・ブリヂストンレディス7位の菅沼菜々らがいる。黄金世代には日米通算6勝の畑岡奈紗、国内4勝の勝みなみ、昨季1勝した新垣比菜、大里桃子、今季初優勝の河本結、渋野日向子、原英莉花、未勝利だが賞金ランク11位の吉本ひかる、同19位の小祝さくらら。ミレニアム世代にはアジア女子アマを制した安田祐香、昨年日本ジュニア&日本女子アマ2冠の吉田優利らが代表格。

 ◆吉本ここね(よしもと・ここね)

 ▼生まれなど 2000年1月5日、札幌市出身。19歳。161センチ、53キロ。家族は両親。

 ▼ゴルフ歴 8歳で始める。北海道・札幌光星高出身。昨年日本女子アマ3位。同年7月にプロテストに一発合格。昨年のレギュラーツアーは3試合だけ出場。

 ▼尊敬 大リーグ・エンゼルスの大谷翔平(24)。「顔もかっこよくて好き」。

 ▼趣味 プロ野球観戦で日本ハムの大ファン。特に近藤健介(25)がお気に入り。

 ▼好きな食べ物 しょうが焼きと白米。

 ▼英語 3歳から教室に通い、英検準2級を持つ。ただし「話せません」。

 ▼おしゃれ 髪は染めていないが、昨冬からネイルは施す。この日は白いネイル。

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