◆報知新聞社後援 男子プロゴルフツアー メジャー第2戦 第87回日本プロ選手権最終日(7日、鹿児島・いぶすきGC=7150ヤード、パー70)
石川遼は16年8月の14勝目以降、腰痛やドライバーショットの不振で成績が伸び悩んでいた。13年から本格参戦した米ツアーでシードを喪失し、昨年から国内ツアーへ復帰。世界基準のゴルフを再び目指すため、今年4月の腰痛発症後から「体・技・心」をテーマに取り組んできた。腰痛防止のために器具を使った筋トレも解禁し、プロゴルファーとして、選手会長としての責任感が復活への原点となった。約6年前から石川の体をケアするトレーナーの北川尚史氏(36)は、今後のさらなる活躍に太鼓判を押した。
ドライバーショットが石川の勝因となった。ちゅうちょなく振り切っているから飛距離が出るし、ドローの球筋も安定していた。
日テレのラウンドリポーターとして石川のプレーを間近で見ていて、実は、ある変化に気がついた。ドライバーショットのアドレスで、これまではボールから2~3センチ後ろにヘッドを構えていたが、今大会ではボールから10~15センチ後ろにヘッドを構えていた。つまり、手が先、ヘッドが後ろになる。そうすることで、バックスイングではヘッドがスムーズに動き出す。ダウンスイングではボールに対してシャロー(水平気味)に入る。腕ではなく、体全体で振ることになるので、飛距離が出て、球筋も安定するわけだ。
最終ラウンドではアプローチとパットも素晴らしかった。グリーンを外してもパーセーブできるし、パー5ではOKバーディーを奪うシーンもあった。
第3ラウンドの5、6番で連続ダブルボギー。4番のボギーを合わせて3ホールで5つもスコアを落とした。気持ちが切れても不思議ではないが、前向きな性格の石川は、「まだ30ホールもある」と切り替えたのではないか。メンタル面も見事だった。
課題を挙げるとすればアイアンショット。ミスした時、フックが強かった。アイアンショットの精度を高めれば、今季、もっと活躍できるだろう。(プロゴルファー、ツアー通算4勝)