女子プロゴルフツアーの北海道meijiカップは9日から3日間、札幌国際CC島松C(6531ヤード、パー72)で行われる。前週のAIG全英女子オープンで日本人42年ぶり2人目のメジャー優勝を達成した渋野日向子(20)=RSK山陽放送=は8日、プロアマ戦で調整。今季国内2勝で賞金ランク2位につけており、優勝すれば賞金1620万円を加算する。自身初のランクトップに立つ可能性があり、最年少賞金女王に前進する。
渋野はプロアマ戦では同伴競技者から、コース内では顔を合わせる選手、関係者から次々に祝福を受けた。快挙達成から初のラウンドは雨だったが、笑顔が会場を明るくした。北海道入りした7日はテレビ出演や前夜祭があり、睡眠時間は5時間弱。「疲れはあるし、ずっと眠い」と言いながらも「ゆっくりして、寝たら体調は戻る。連戦は予定通り。海外から帰ってきた試合はどんなふうなんだろう」と試合を心待ちにした。
プレーに関しては「しっかりと(ショットが)ダフっていたのでいつも通り(笑い)。アプローチも大丈夫だったので何とかなる」とうなずいた。優勝して、賞金ランク首位の申が7位以下なら自身初めてのトップに浮上する。最終戦のLPGAツアー選手権リコー杯(11月28日~12月1日)で決着なら21歳16日となり、2007年上田桃子の21歳156日を更新して最年少女王に輝く。
3月のツアー本格参戦から一気に海外メジャーまで制したシンデレラは「賞金ランク1位はあまり考えていない。年間通して日本ツアーだけで1億円突破の目標がある。まだ何試合もあるので徐々に積み上げたい」と謙虚に語った。全英の賞金約7200万円はランク対象外のため、国内だけの年間1億円突破までは約2180万円。最速達成は次週で、宮里藍の19歳141日に次ぐ年少2位の記録も見えてくる。
凱旋試合を前に会場では仮設トイレを10棟増設、バスを3台増便し、渋野組には通常組の2倍のスタッフを配置することが決まった。前売り券は8日正午時点で前年比1・6倍(実数非公表)を売り上げている。「(雨予報で)天気がどうなるか分からないけど、予選通過は絶対にしなければならない。楽しんでもらうようにプレーしたい」。1987年の岡本綾子以来となる日米両ツアーの2週連続優勝へ、世界のシブコが果敢に挑む。(岩原 正幸)
◆日本女子の日米ツアー2週連続V 1987年の岡本綾子が、国内のコニカワールドレディス(5月8~10日)を制覇後、米のクライスラー・プリムス・クラシック(5月15~17日)で達成。米→日の順は未達成。