◆男子プロゴルフツアー 長嶋茂雄招待 セガサミーカップ第2日(23日、北海道・ザ・ノースカントリーGC)
首位タイで出た14年大会覇者の石川遼(27)=カシオ=が7バーディー、1ボギーの66で回り、通算11アンダーで暫定首位となった。世界最高水準を目指すアイアンショットがさえて大会自己最少スコアをマークし、初の2戦連続優勝へまた一歩前進した。P・ミーサワット(35)=タイ=が2打差の暫定2位。悪天候による2時間24分の中断のため、日没順延となり、59人がホールアウトできなかった。第2ラウンド(R)の残りは、24日午前7時から再開予定。
世界一の“アイアンマン”への野望が、白球をピンに絡ませ続けた。断続的に雨の降り続いた北海道で、石川のアイアンショットがさえ渡った。4番で3メートルにつけてバーディー先行。158ヤードの7番パー3は体に巻きつけるように9アイアンを強振すると、右から大きく弧を描いてピン左2・5メートルにつけて伸ばした。続く8番は、残り135ヤードからピッチングウェッジでの第2打を1メートルへピタリ。大会自己ベストスコアに並ぶ66をたたき出した。
「約2か月前よりも、安定していいショットの割合が増えましたね。アイアンを持った時に、2メートル以内につけることが18ホール中、何ホールできるか」
前週、米男子ツアーで3位と活躍した松山英樹(27)=LEXUS=の雄姿が起爆剤となった。「英樹は7600ヤードを超える難しいコースで9アンダー(63)を2日間も出した」。テレビの前で、世界屈指の精度を誇る盟友のアイアンショットにくぎ付けになった。
「今の世界トップは飛んで曲がらない。世界で戦うためには、ドライバーからパターまでどれがどれくらい足りないかを明確に考えると、僕は彼らよりもアイアンをうまくならないと」
1月のSMBCシンガポールオープンでその差を痛感していた。17年マスターズ王者のセルヒオ・ガルシア(スペイン)と同組で回り「ほとんどのアイアンショットが僕の半分くらいの距離につく。何回グリーンに乗ったかより、何回ピンの近くに行ったかが大事。アイアンに関してはもっと求めていかないとダメ」と高いハードルを自らに課した。
前戦、7月の日本プロ選手権で3年ぶりの15勝目。「あの時はサイドスピンが多かった。それを真っすぐにしたり、ドローの幅を半分にしたりということが今はできつつある」。過去7度出場で、14年の優勝を含め4度のトップ3入りと好相性大会。アイアンショットを大切に―。“鉄のおきて”を守りつつ、自身初の2連勝に挑む。(榎本 友一)