◆男子プロゴルフツアー ANAオープン 第3日(13日、北海道・札幌GC輪厚C)
42位で出た15年大会覇者の石川遼(27)=カシオ=が8バーディー、ボギーなしのベストスコア64をマーク。通算8アンダーで首位と3打差の3位へと急浮上した。既に出場を決めている、10月の日米共催のZOZOチャンピオンシップ(24~27日、千葉・習志野CC)での活躍を目標に掲げ、世界基準のショットで4年ぶりの大会2勝目に挑む。ツアー通算3勝の時松隆光(26)=筑紫ケ丘GC=が、11アンダーで単独首位に立った。
快晴の北の大地で、今季2勝&賞金ランク1位の底力を見せつけた。石川は2度の世界レベルのスーパーショットでバーディーを奪い、大観衆を沸かせた。最終18番。残り120ヤードの左ラフからウェッジでの第2打。フェースを思い切り開き、高い球で目前の木を越えてピン右下1メートルへ。バーディー締めで客席から喝采を浴び、左拳を揺らした。
決して絶好調ではない。4連戦の疲労もあり「クラブを重く感じたり、体の切れはないという感じはあります。このスコアで回れたのは、全体的に良くなってきているのかな」と総合力の向上を感じ取った。
圧巻は12番パー5だ。残り250ヤードの右ラフからの3ウッドでの第2打。ハーフショット気味に低く打ち出すと、スライス軌道を描いた球は転々と転がってピン上7メートルへ2オン。創造力あふれる技ありの一打に、ギャラリーからどよめきが起きた。「アプローチ感覚というか。うまくいきました」と笑顔でうなずいた。
8月末、主催者推薦でZOZO―への出場が決定。米ツアーに5年間参戦も未勝利で厳しさも痛感した石川は「米国にいた頃と比べて自分のゴルフをどう感じるのか楽しみ」と言う。3打差3位での決勝Rへ「自分のできる最高の一打を目指してやっていくだけ」。世界再挑戦を視野にベストを尽くす。(榎本 友一)