藤野圭祐キャディー、圧倒された渋野の潜在能力


表彰式後、樋口久子日本女子プロゴルフ協会相談役(左)から祝福される渋野日向子(中は藤野圭亮キャディー)

表彰式後、樋口久子日本女子プロゴルフ協会相談役(左)から祝福される渋野日向子(中は藤野圭亮キャディー)

 ◆女子プロゴルフツアー デサント東海クラシック最終日(22日、愛知・新南愛知CC美浜C)

 首位と8打差20位から出た渋野日向子(20)=RSK山陽放送=が8バーディー、ボギーなしの64で回り、通算13アンダーでツアー史上2番目の大逆転優勝を果たした。今季ツアー3勝目、海外メジャーのAIG全英女子オープン(8月)と合わせ4勝目。生涯&今季の獲得賞金は約1億643万円となり、大台を突破した。全英制覇後「ショートパットで手が震える」という弱い部分さえ認める強さを持つ渋野が大逆転で賞金女王を狙う。申ジエ(韓国)、浜田茉優(伊藤園)ら5人が2打差2位。

 渋野を支えた藤野圭祐キャディー(46)は、バッグを担ぎながら不思議な因縁を感じていた。実は今大会が初コンビ。きっかけは4月のKKTバンテリンレディスの時だった。

 第1日、渋野は81をたたき、最下位。しかし、第2日に66で、ぎりぎり50位で予選通過した。最終日は裏街道と呼ばれる10番スタートの最終組だった。その時、イ・ナリのバッグを担いでいた藤野さんは渋野の潜在能力に圧倒された。

 「その時まで私は渋野さんを知らなかった。機会があったら担がせてほしいとお願いして、今回、初めて実現した。渋野さんが熊本で歴史的な81、66を出さなければ、きょうの歴史的な大逆転にも立ち会うことができなかった。感謝します」

 熊本の最終日、渋野は68で20位まで浮上した。「あの時、ギャラリーはゼロ。家族と関係者だけだった」と藤野さんは笑う。その5か月後、2人は大観衆の中、18ホールを歩いた。(竹)

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