鈴木愛、逆転女王へ完全V“プチ一人暮らし”で復活 4年連続獲得賞金1億円突破


 ◆女子プロゴルフツアー 樋口久子・三菱電機レディス 最終日(3日、埼玉・武蔵丘GC=6585ヤード、パー72)

 17年賞金女王・鈴木愛(25)=セールスフォース=が単独首位で出て5バーディー、1ボギーの68で回り、通算14アンダーで今季5勝目を挙げた。初日から首位を走って5度目の完全Vで通算14勝目。ツアー日本人最長に並ぶ4年連続での獲得賞金1億円を突破し、賞金ランクも3位へ浮上。賞金ランク1位の韓国の申ジエ(31)=スリーボンド=と約3081万円差に詰め、残り4戦での逆転で2年ぶり2度目の賞金女王の座を目指すことを宣言した。

 リフレッシュした元女王が“実りの秋”を迎えた。鈴木は「自分が6アンダー出せば絶対勝てると思った」と、周りは気にせずに好調なアイアンショットと得意のパットで攻めた。

 前半3つ伸ばし、後続に3打差をつけた。だが後半、申の猛追で15番で1打差に。続く16番。申が1メートルの好機につけると、先に4メートルのバーディーパットをねじ込んだ。「ここは勝負どころと思った」と、右拳を揺らした。通算14勝のうち、10勝が最終日首位からの逃げ切りV。「相手を気にせずやるのが、自分の勝ちパターンになりつつある」と、うなずいた。

 今季は「年間5勝と賞金女王」を目標に掲げた。6月までに3勝。だが、左手首痛と左親指痛に悩まされ、9月末から4戦を欠場した。「練習してもうまくならない感じがして。ゴルフをやるのが嫌になった」と、2週間はクラブを握らなかった。

 「一人の時間がほしい」と、都内で同居する母と弟に香川県の実家への帰省をお願い。「料理や洗濯など普通の生活が楽しいと感じた」と、約2週間の“プチ一人暮らし”で自分を見つめ直した。契約するスポンサー各社から「愛ちゃんがやりたいと思ってからでいいよ」と言葉をかけられ、「すごく申し訳なくて…」とやる気を取り戻した。

 4年連続の賞金1億円突破は横峯さくら(07~10年)に並ぶ日本人最長記録だ。「(約3081万円差は)簡単な額ではない。自信を取り戻すことができたので、諦めないで最後までやりきりたい」と鈴木。昨年までは9月が最も遅い優勝で、11月の優勝は初。明るい笑顔を取り戻した元賞金女王が、逆襲劇を演じる。(榎本 友一)

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