鈴木愛、2週連続の完全Vに王手…イ・ボミ以来2人目の快挙へ初日からの首位キープ


18番、3打目をピンそばにつけて、キャディーと笑顔でタッチを交わす鈴木(右)(カメラ・義村 治子)

18番、3打目をピンそばにつけて、キャディーと笑顔でタッチを交わす鈴木(右)(カメラ・義村 治子)

 ◆米女子プロゴルフ協会公式戦 TOTOジャパンクラシック 第2日(9日、滋賀・瀬田GC北C=6659ヤード、パー72)

 賞金ランク3位の鈴木愛(25)=セールスフォース=が7バーディー、ボギーなしの65をマークし、初日からの首位をキープ。ツアー史上2人目となる2週連続の完全Vに王手をかけた。2位に3打差をつけ、得意の逃げ切りで今季6勝目を目指す。9位で出た全英覇者の渋野日向子(20)=RSK山陽放送=は4バーディー、1ボギーの69で6打差7位。

 最終18番、鈴木は60センチのバーディーパットを沈めると、はにかみながら声援に応えた。前週に完全優勝を果たした勢いは増す一方。1番から3連続、15番では9メートルのロングパットを決めるなど、海外勢に負けない65を叩き出した。「スコアを数えていなかったので、7アンダーは知らなくて」ととぼけたが、2週連続の完全Vなら2015年に賞金女王に輝いたイ・ボミ(ニトリレディス、ゴルフ5レディス)以来2人目の快挙となる。

 左手首痛と左親指痛に悩まされ、9月末から4試合を欠場した。普段はストイックに誰よりも遅くまで練習をこなすが、患部への負担軽減のため現在は「すごい練習している時に比べたら3分の1ぐらい。30分もしていない」と大幅に短縮。体のことを考え苦渋の決断…だったはずが「ずっと休んでいたので自分に期待していない部分が大きくて。気楽にゴルフをできていることがいいのかな」と、無欲が好結果につながっていると分析した。

 そのため前週から5ラウンド連続で首位に立っていても、優勝や逆転での賞金女王獲得に対しては冷静だ。「申ジエさんとは賞金の差もあるし、優勝、優勝と思ってできるほど簡単じゃない。米ツアーは最終日に3アンダー以上伸ばさないと勝てない」と最終日を予想。通算14勝中10勝が最終日首位からの逃げ切りだが「自分が5~6アンダー出す感じじゃないと優勝には届かないんじゃないかと思う。決めた目標に近づければ優勝が待っているんじゃないかな」と目標スコアだけを考える。

 今大会は米ツアーと共催のため、優勝すれば来年の米出場権も得るが「全然考えていなくて。優勝が決まってから考えるかな」と笑った。米ツアーV、賞金女王、世界ランクを上げて来年の東京五輪まで―。無欲のままどこまでいけるか証明する。(筒井 琴美)

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