晩夏、夕日が低く斜めに差し込むダイニングルームでテレビを見ていた時、
妻:「夏も終わりやのに、まだ、セミが煩いなぁ!」
私:「何のこと? セミなんか鳴いてないで!」
妻:「えっ! この煩いセミの声が聞こえへんの?」
娘:「ホンマに聞こえんの? あほちゃう!」
私:「・・・・」
子供の頃、おじいさんやおばあさんが不思議だった。
新聞の文字が見えん訳がないやろう! 見えるまで眼を近づけたらええだけや!
こんな大きな声で喋ってんのに聞こえへんなんて、嘘やろ!
先日のシャフトフィッティングで頂いたレポート、平均ヘッドスピードが38.2m/sとあった。
62歳、右目は飛蚊症。
片足立ちで靴下を履こうとするとよろける。
必死の思いの伸身前屈は、お辞儀をしているようにしか見えないらしい。
握力は、か弱い女性並み、2フロアー以上の階段は一気に上がれない。
が、年間100回以上のゴルフ、ほぼ全歩き、年間1,000Km以上は歩いている計算となる。
ヘッドスピードが40m/s近くに落ちているかも?とは思っていたが、
38.2m/s!
そこまで落ちているとは! 阿鼻―!
煩悩ゴルフ<4>新ドライバー使用報告
前回の煩悩ゴルフ<3>で報告したように、新ドライバーは、
GolfWingの井殿プロにフィッティンしてもらったシャフトThe ATTAS 4Xを
テーラーメイドM5のヘッドに装着した。
私のゴルフギア知識は、耳学問の知ったかぶり専門。
「The ATTAS 4X」の「4」は、シャフト重量40g台の意味だろうと、知ったか専門の私でも推測がつく。
さて、「X」って何だろう?
普通に考えると「シャフトの硬さ」だ。
柔らかい方から順に、R→SR→S→Xと硬くなり、
アベレージゴルファーはR(regular)、体力のあるシングルゴルファーがS(stiff)、
ヘッドスピード46~50m/sの飛ばし屋が使うのがX(extra)、
と教えられてきた。
だから、私のシャフトも年齢と共に、飛距離の低下と共に、
SからSRに、そしてRに変えてきた。
そこに、プロがXを推す訳が無い。
だから、この「X」は「シャフトの硬さ」では絶対にない。
iPhoneXのようにローマ数字の「X」かなぁ・・・・ 10世代目って意味かなぁ・・・・
The ATTAS 4Xをググってみた。「シャフトの硬さ」の「X」だった。
「ヘッドスピード38m/sの爺が、X使ってええんか!」と煩悩が宣う!
不安と期待を抱え、ホームコースの有馬ロイヤルゴルフクラブへ、いざ、出陣!
ロイヤルコース1番535yロングホールでティーアップ。
新ドライバーでルーティンの2度の素振り、
いつものプレー仲間から、「あっ! ドライバー変わっとる!」の声。
派手なシャフトの所為で、早くも新ドライバーに気付かれた。
煩悩は、少しはにかみながら、聞こえていないふりをし、スタンスに入る。
「いつものスイングでフィッティングしたので、本番でもいつものスイングして下さいね!」
フィッティング時の井殿プロのアドバイスが脳裏を過る。
108種類の煩悩スイングの中から、「いつものスイング」とやらを探し出す。
「多分、これだろう!」でスイングイメージを決める。
井殿プロの次のアドバイスを思い出す。
「バックスイングで上げたクラブは下さねばなりませんが、
勝手に上がったクラブは、勝手に下りてきますからね!」
一休さんの頓智問答のようなアドバイスをチェックポイントとして、
「多分、これだろう」スイングで「勝手に上げ下げ」のファーストショット!
「ナイスショット!」
仲間から、いつもの日本語のお愛想が聞こえる。
結果は、普通。可も無く不可も無く。
真っ直ぐに、ほぼセンター右寄りのフェアウェイに、旧ドライバーとほぼ同じ飛距離。
「ニューギアの幻覚は、必ず、夢幻と消え去る。」を悟っている我が煩悩、
落胆、失望、消沈、阻喪は無い。
が、揚々、有頂天、満面、どや顔も無い。
2番449yミドルホール。
「多分、これだろう」スイングで、「勝手に上げ下げ」ショット!
結果は、これも普通。可も無く不可も無く。
真っ直ぐに、ほぼセンター、いつもとほぼ同じ飛距離。
お愛想の掛け声有り、どや顔、落胆、共に無し。
7番ロングホールで力み、200y弱のミスショットだったが、
それ以外は、全ドライバーショットに、お愛想の「ナイスショット」を頂けた。
可も無く不可も無く、普通!
・・・・・・ようやく気付いてきた。
いつものミスショットが少ない。
ハーフ9ホール中、ショート2ホールを除く7ホールでドライバーを使うが、
普通、2~3回はミスショットが出る。
OBは少ないが、左右のラフ、飛距離も落ちる。
それが、新ドライバーでは、ハーフ9ホール中1回しか出ていない。
残り18ホール(1.5ラウンドなので)も、大きなミスショットが激減!
確かに、フィッティング結果を見ても、もっと飛んでいたシャフトもあったが、
このシャフトは、左右、前後のブレが少なかった。
新ドライバー、「なんでやねん!」の愚痴は大幅に減った。
が、なぜか、モヤモヤが残る。
「ゴルフは飛距離じゃない!」は、知っているはずなのに。
煩悩は、飛距離への貪欲無間地獄で酔生夢死するしかないのか・・・
南無阿弥陀仏!
誰かから聞いた、ゴルフの聖地/スコットランドの戯れ歌を思い出す。
飛距離が自慢の幼稚園、
スコアにこだわる小学生、
景色が見えて中学生、
マナーに厳しい高校生、
歴史が分って大学生、
友、群れ集う卒業式
煩悩ゴルフ、菩提への道険し!
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常包浩司(つねかねこうじ)プロフィール
eBASE株式会社/証券コード3835 代表取締役社長
1957年3月20日生 62歳 香川県出身
ゴルフ歴35年 ホームコース:有馬ロイヤルゴルフクラブ
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