星野陸也、ズボンが破れても単独首位キープ


7番でティーショットを放つ星野。通算6アンダーで首位をキープ(カメラ・今西 淳)

7番でティーショットを放つ星野。通算6アンダーで首位をキープ(カメラ・今西 淳)

 ◆男子プロゴルフツアー メジャー最終戦 日本シリーズJTカップ 第2日(6日、東京・東京よみうりCC=7023ヤード、パー70)

 23歳210日での大会最年少優勝を狙う星野陸也(フリー)は1イーグル、1バーディー、2ボギーの69をマークし、通算6アンダーで単独首位を守った。ズボンが破れるアクシデントを乗り越え、優勝した際には対戦を熱望する卓球の張本智和ばりの「チョレイ!」披露にも意欲を見せた。石川遼(28)=カシオ=は3バーディー、3ボギーの70と粘り、2アンダーで首位と4打差の8位に踏みとどまった。

 最終18番、1メートルのパーパットを決めた星野はホッとした表情を見せた。「最後ボギーだったら首位タイになっていた。タイより単独の方がいいし、1打でも(貯金が)あった方がいいので」。寒さと風で周りのスコアが伸び悩む中、パー5では持ち前の飛距離で魅せた。6番で残り216ヤードから6アイアンで5メートルにつけ、今季最多となる14個目のイーグル。17番でもバーディーを決めた。「今週は平均で5ヤード落ちている」と寒さによる影響はゼロではないが、確実にスコアを伸ばし首位を守った。

 スタート時に緑色のズボンをはいていたが「朝はく時にガッとやっちゃったみたい」とハーフターンの際に、股の辺りが約4センチ破れていることが発覚。10番ティーグラウンドでキャディーとともに“患部”を再確認すると、ティーアップは「股を閉じて」行い、ティーショットも何とか放った。しかし「テレビ映りが悪いな」と、第2打地点では雨天に備えて持ち合わせていたグレーのレインウェアを急きょ着用。ややサイズは大きかったものの「逆に温かくて良かった」とアクシデントを寒さ対策に変えた。

 中学時代は卓球部に所属し、卓球好きを公言する。1万4000円ほどで購入したシェークハンドのラケットを常に持ち歩いており、王子サーブなど複数のサーブを操る。最近は多忙であまりできていないが腕には自信があり、ゴルフと同様「スピンを操るのが楽しいんですよね」と笑う。

 「張本選手とやってみたいんですよね。球の回転がどんなものなのか体感してみたい。あんなに若いのに世界で戦ってすごいなと思います」と、世界ランク5位の16歳との対戦を熱望。張本といえば得点時に「チョレイ!」と絶叫することが有名だが、自身も今大会で最年少優勝を決めた際には「いいですね。気持ちは伝わってきますよね」と“星野版チョレイ”の披露にも前向きな姿勢を見せた。

 第3日は悪天候が予想され、スコアはさらに伸びにくくなりそうだが「楽しく、コースマネジメントを大事に、いろんな球を攻めて打っていきたい」と守りに入るつもりはない。このまま首位を走り抜き、極寒の東京よみうりCCに「チョレイ」の熱い雄たけびを響かせる。(筒井 琴美)

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