女子ゴルフツアー開幕5戦中止で大打撃…移動食事など自己負担「予選落ちなら大赤字」キャディーという仕事


ツアーが相次いで中止となり、キャディーの苦しい現状を語った森本真祐氏(昨季最終戦のツアー選手権リコー杯。右は鈴木愛)

ツアーが相次いで中止となり、キャディーの苦しい現状を語った森本真祐氏(昨季最終戦のツアー選手権リコー杯。右は鈴木愛)

 国内の女子プロゴルフツアーは新型コロナウイルス感染拡大の影響で、3月の開幕戦から史上最長となる5試合が中止となった。試合再開時期が不透明な中、男女ツアー通算33勝でキャディー歴20年以上のベテラン・森本真祐氏(46)が19日、取材に応じ、仕事がない苦しい現況を明かした。

 大会ごとにキャディーが選手からもらう給料(週給)の一般的な相場は基本、約10万円で、歩合制で獲得賞金の7~10%となっている。同じ選手と専属契約する場合や、試合ごとにコンビを代えるパターンもある。稼働は火~日曜日。基本給で移動、食事、宿泊の経費をまかなうため、森本氏は「予選落ちなら大赤字です。宿泊代は100円でも安い所をネットで探す」と語る。

 主な仕事はクラブ選択、風やグリーンのライン読みなど選手のサポート役だ。重さ約15キロのバッグを担ぎ、起伏の激しいコースを1日10キロ近く歩く。猛暑や雨もあり、相当な体力が必要となる。収入は選手の活躍度により、多い人で最高額は年2000~3000万円となる場合も。選手のようにキャップにロゴをつけ、スポンサーから支援を受けるキャディーもいる。

 プロキャディーは国内に100人弱で平均年齢は約41.7歳と高齢化が進む。男女同週でツアーが開催される場合、250人が必要で学生アルバイトの助けを借りるなど人手不足もある。森本氏は昨年11月、日本プロキャディー協会を設立。会員募集はこれからだが、「若手を育てたい。職業的な地位を向上させたい」と意気込む。イ・ボミの元専属キャディー・清水重憲氏(45)が副代表理事を務める。

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